現代心理学では、身体感覚への気づき(インターオセプション)が、自己への思いやり=セルフ・コンパッションを育む基盤であるとされています。
このセルフ・コンパッションは、私たちが自らの苦しみや弱さを非難せずに受け止める力を高め、ストレス耐性や幸福感の向上につながります。
これは「マインドフルネス」の効果の科学的な裏付けとして心理学者のクリスティンネフ博士の研究が有名です。(クリスティン・ネフ博士が提唱するセルフコンパッション:自己慈悲の力とその効果的な実践方法)
現代心理学が支持する気功の効果
現代心理学の観点からみると、氣功はこのインターオセプションを実践的に深める方法の一つだと言えます。
呼吸のリズムや身体の動きを通じて、自分の内側の声や体の感覚に触れる機会を与え、自己との深い繋がりを築く知的かつ体験的なメソッドです。
氣功は、ゆったりとした呼吸と繊細な身体運動を通して、まさにこの“インターオセプション”を鍛える実践そのものです。
呼吸や緩やかな振動がもたらす皮膚感覚、筋肉の緊張と緩み、血流や重心の移動——すべての身体の感覚が「氣の流れ」として知覚され、自己への深い気づきを呼び起こしていきます。
このような「氣」を感じるという自分自身への気づきの積み重ねがセルフコンパッション(自分への思いやり)を育み、自分をありのままに受け入れるという態度、即ち自己愛や自己承認が形成されていきます。
氣功が「自己承認」を育む3つの側面
- 感情の解放:動作と呼吸をシンクロさせることにより、心の中にある過去の傷や抑圧された感情が自然と意識に上がってくることがあります。自然に浮上してくるので感情を否定することなく受け入れ、「ただ感じる」ことで内面的な癒しが起こります。
- グラウンディング感覚:氣功で得られる「地に足がつく感覚」は、丹田や軸への意識が生み出します。これは自己の存在感を強化し、他者評価への依存を放棄し、自分を信じる力を育てる基盤となります。
- 抽象度を高める:気功の動作が「氣」の循環を感じさせ、抽象度の高い変性意識を作り出します。これを「心と体が調和する感覚」と表現する人もいます。脳内では脳波の変化によってセロトニンやドーパミンの分泌が高まります。これが日々の不安や葛藤から自然に距離を保ち、深い安心感や洞察を与えることにつながります。
気功を始めたクライアントからは、「氣功はセルフラブそのもの」といった声が寄せられたことがありますし、気功を行う中で涙が自然と溢れる経験をされる人も時々いらっしゃいます。
他にも、あくびや痛み、咳などと言った形で反応が出ることも多く、それは、抑え込んでいた感情的なエネルギーが解放される一つの現れであると考えることが出来ます。
このような体験は、心理学的には「カタルシス」と呼ばれ、感情的解放の重要な一歩です。
過去の自分の恋愛パターンを思い出し、 自分を愛せてなかったからああいうパターンだったんだなぁと気づきました。 自分を愛せてなかった過去の自分がかわいそうで、これからは本当にますます自分を大切にしよう、と決めました
すっごく気持ちいいし、なんか泣いてしまいました。氣功ってセルフラブなんだなと感じました。
気功を通じて得られる人生の変化
-
心身の痛みからの解放
インターオセプションを鍛えることで、慢性的な痛みやストレスが軽減され、自然な治癒力が引き出され、様々な身心にまたがる症状を手放すのに役立ちます。 -
心の揺れに左右されない安定感
過去のトラウマや否定的な感情パターンを手放し、自分を許し受け入れる力が高まります。 -
持続的な幸福感と創造性
自己肯定感が高まるので、日常の小さな喜びにも目を向けられるようになり、モチベーションが「したい」に変化することで未来への創造性が高まります。
氣功は、過去の思考や感情から自由になり、未来に向かって軽やかに進むための学問であり、実践です。
もし心の奥深くに未解決の感情があるなら、気功を通じて心の扉を開いてみませんか?
2か月で氣功の基礎を身につけたい方はこちら

馬明香(ま あすか)
氣功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。