人はなぜブロックを作るのか
どんな人も生きて成長する過程でブロックを作り出すことがあると思います。
例えば子供のころに自由気ままな行動を親にひどく叱られて反論しても力で抑えられてしまって、恐怖まで感じてしまったとしたら、そんな辛い感情はもう感じたくないとその「怖い」という感情にロックをかけたり蓋をしてしまいますよね。
そして、悪いのは自分だという価値観や自分の自由気ままな行動をしてはいけない、反論したら痛い目に合うという自分を制限してしまうパターンが出来上がります。
なので、人生を生きていく上で、本来自分のものだった「自由気まま」な生き方をすることが怖いと思うようになるし、できなくなってしまうのです。
こんな風に、辛すぎて直面したくない感情がブロックとなって、私たちの中から湧いてくる「自然な流れ」を遮ってしまいます。
でも、人は誰でも自分の内にある「自然な流れ」によって突き動かされ導かれているものなので、折に触れて自分本来の「自由気まま」なあり方を選択するようなチャンスが訪れます。
ところがブロックによってそれがとても怖いことに感じたり、またはそうしてはダメだと自分を制限してしまっているので、自分の本音からの選択や自分本来の生き方がなかなかできません。
ブロックを抱えたまま生きることは可能です。
でも、もしあなたが本来の自分の生き方を取り戻したい、人生のプロセスにおいて自分をもっと成長させたい、そんな意志をお持ちなら、どこかでそのブロックと向き合わざるを得なくなるでしょう。
ブロックを癒す本質的な方法
私は、立場上ブロック解除の方法などを色々聞かれますが、実はそんな都合のよいものはありはしないと思っています。
ブロック解除を求める人がなぜブロックを解除してほしい、あるいはそんな方法があるなら身につけたいと思うのかと言えば、ブロックとむきあう勇気が自分にはないからではないでしょうか。
確かに自分が封印しようとしていた感情、見ないようにしていた問題と向き合うのは辛いことです。
でも、ブロックは、ブロックを起こしている感情から逃げないで感じてみることなしには本質的には溶けてはいかないものです。
恐怖や罪悪感や羞恥心などと真正面から向き合える力が自分に備わった時、ブロックは勝手に消えます。
仮に、ブロックを解除する気功の技術があったとします。(実際、ブロックと向かい合うことを促すことはできるでしょう)
それでもそれによっておのずと自分が蓋をしてたものと向き合う機会は必ずやってくる。
ブロックとは、いわば流れをせき止め続けていた岩のようなものなので、それを外すと、流れが止まっていた分だけ一気に流れていくときのエネルギーが大きくなるので、自分はもちろん、そのブロックにかかわっている人間関係や環境に大きな影響があるでしょう。
そういったことをきちんと受け止める、その覚悟ができないうちは、誰に何をやってもらっても結局は本質的な意味でブロックは消えないでしょう。
ですから、本質的なブロックを癒す唯一の方法は、自分のパワーを自ら確信できるようになり、どんな感情を感じても大丈夫だと自分に許可できる自分になることです。
自分でできるブロックの癒し方
自分でできるブロックの癒し方は簡単です。
自分のなかにブロックを感じたなら、勇気を出して本当の自分の気持ちや望みどおりに選択し、行動してみることです。
その際に感じるであろうどんな感情もどんな敏感さも、味わうと腹を決めて味わうのです。
どんな感情も責任をもって感じる、そう覚悟ができていればやらない理由も、できない理由も消えていきます。
恐れなどの、自分が感じたくないと思っている大きな感情に身がすくんでしまうとき、それはブロックが顕在化している時であり、自分を本来の流れから遠ざけていた壁を取り除くチャンスがやってきています。
もちろん、流れをせき止めていた期間が長いほど、ズレに生じたテンションが大きくなるので人生にも大きな揺れが生まれるでしょうが、あなたの本源からの流れのエネルギーに比べたらそんなものは問題にはなりません。
覚悟ができたなら、その流れにまかせる気持ちで今まで恐れて避けていた道を選択してみましょう。
そうすれば、自分が本当に何を望んでいたかも明らかになってくるし、あなたがちゃんと自分を信じることができればうまくいきます。
実は何度も何度もブロックを癒すチャンスは人生にやってきます。
そして先延ばしにすればするほど、強制的なリセットが起きる可能性が高まります。
その問題と向き合わざるを得ないような大きなイベントが人生にやってくるので、先延ばしにしていてもいいのですが、先延ばしにするほどテンションが高まるので、いざズレが矯正するときに大変です笑
でも、そのとき、私たちは本当の自分の力に目覚めていくのです。
だから心配することはありません。
どのような感情も味わうためのポイント
感情は、人間にとって精神的というよりむしろ身体的な経験です。
腹が立つ、悲しみで胸がつぶれる、など感情は身体で感じるものです。
プラスの感情は体感として気持ちがいいですが、マイナスの感情は決して心地がいいとは言えませんね。
なので、プラスの感情はあってもいいが、マイナスの感情はあってはいけない、避けたい、拒絶したいと思ってしまいます。
でも、感情とは残念ながらそういうものではないのです。
振り子のように必ずプラスとマイナスの間を揺れ動くもの。
波のようなものなのです。
よって一方だけを拒否するなんてことはできないし、そもそもプラスもマイナスもあっていいもの。それが自然です。
私たちがマイナスの感情を感じてしんどくなってしまうのは、その感情に自分が飲み込まれているからです。
自分の意識と体感をすっきり分けてみることができず、混同しているから。
その感情があたかも自分自身であるかのように錯覚しているから。
でも、よくよく観察してみると、実はその感情の揺れの外側にある自分の意識に気づくはずです。
そう、振り子の中心点。
感情はその中心点を支点にプラスやマイナスに揺れています。
その中心点にある自分の意識に気づくことができたら、もう感情の波にのまれて一喜一憂する必要はありません。
その中心点は陰と陽を統合した場ともいえます。
ここで大事なイメージは、陰と陽と同じレベルの中点に中心点はあるのではないということ。
陰陽の波を超越したところにある意識であるということです。
なので振り子のイメージ、または三角形のイメージがいいと思います。
恐怖、罪悪感、怒り、悲しみ、自信がない、絶望感、そういった情動によっておきる感覚は心地がいいものではないですが、だからと言ってそれらに蓋をして無視したり、抑え込んでいると、
どんどん苦しくなって心も体もいつか限界が来ます。
陰と陽は極まった時点で反転しますから、ずっと抑え続けて「影」に隠していても、必ず明るみに出てきます。
それが、ブロックを解消するチャンス、心の傷を癒すチャンスです。
ポイントは陰陽の間で揺れ、反転しても構わないことを自分に確認することです。
振り子のようにこれは力学的な現象ですから、そういうものであることをしっかり受け入れ、陰か陽かに固定されていた視点を、その陰陽の振り子の支点となっている中心点に意識をずらすことです。
あなた自身は振り子の中点であって、振り子そのものではない。
それを理解し、体感することができれば、いかなる感情を感じることもたやすくなるはずです。
そして自然と私たちは自己の本質、本当の自分の力が湧き出ている源泉へと還っていくことができるのです。
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気功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。