この世界は「氣」でできている
この世界は「氣」で成り立ち「氣」によってできています。
「氣」とはすなわち情報であると言えます。
「森羅万象」とは情報が織りなす世界のことを意味しています。
それは自然のダイナミズムである生命活動によって生まれる千変万化する現象界のことです。
氣の世界では、情報とは基本的に陰か陽の2種類しかありません。
わかりやすく+と-、あるいは光と影と言ってもいいでしょう。
この陰と陽の情報の無数の組み合わせがこの世界を形作っています。
「情報空間」とは、陰と陽の組み合わせでつくられた無数の情報の存在する「場」のことです。
情報空間を理解するうえで最も大切なことは、情報とは必ず「組み合わせ」で存在するということ。
組み合わせがないと情報自体が存在できません。つまりある1つの情報が他の情報の存在の根拠となっているということです。
このことをお釈迦様は何千年も昔に理解してこの情報世界のことを「縁起」と説明しましたが、
氣の哲学においても、「道徳経」や「易経」のなかにこのことが示されています。
もしあなたが氣功のことを深く学びたいと思ったら、「情報とは幻想である」ということを理解しなければいけません。
組み合わせによって存在するということは、組み合わせが変われば違うものになってしまうということです。
つまり、絶対的な情報というのは存在するはずがないのです。
情報空間と呼ばれる場にあるのは組み合わせ次第で自由に変わってしまう情報があるだけで、どこにも不変の「真実」は存在しません。
でもだからこそ、情報の組み合わせを変えることで世界を自在に操れますよ、というのが氣功の基本的な考え方です。
情報空間にアクセスし、情報の組み合わせを変える方法論が何千年も前に確立されて、
それが「氣」のメソッドとして現代にまで様々な形で受け継がれているものを総じて私たちは氣功と呼んでいます。
現実などない
この世界は「氣」でできているということが腑に落ちれば、そもそもそこに「現実」などないということが理解できます。
正確には、私たちが現実と呼んでいる「確固たる事実」は幻想だという意味です。
「氣」で世界を観てみると情報空間と物理空間(現実世界)を区切ることは意味をなさないことがわかります。
なぜなら、形があってもなくても宇宙はすべて「氣」すなわち情報でつくられているからです。
氣=情報でできているものはすべて幻想なのです。
ところがたとえ見て触ることが出来るものであったとしてもその本質は情報にすぎないのに、それらを私たちは無意識に「真実」であると思い込み信じ切っているのではないでしょうか?
「氣」のことを本当に理解するということは、自分が生きるこの世界のどこにも、そして情報空間のどの次元にも、不変の「真実」は存在しないということを受け入れることなのです。
だから、自分が認識している世界や自分自身を真実であると信じれば信じるほど、人は変化できなくなり、またこの世界は「氣」でできているということを受け入れられず、氣功を理解しがたい、難しいと感じることでしょう。
氣の使い手になるには?
古代の「氣」の使い手である仙人たちはこの世界が「氣」によって成り立つことを深く理解していました。
だからこそ龍に乗り雲を操り、不老不死の存在と呼ばれていたのです。
「氣」の世界はとてもファンタジックです。
神仙が存在し、数々の奇怪な動物も存在しています。
「氣」の世界、すなわち情報空間にはなんでも存在することが出来ます。
その本質は「氣」なのだから。
情報空間に臨場感さえ感じることが出来たらそれは「事実」となります。
神の声を聴いたというのならそれは事実であるし、悪魔が見えたのならそれも事実です。
宇宙人も神様も妖精も龍も存在します。
氣の世界では、あなたが存在しているのと同じくらい宇宙人が存在する根拠があります。
この場合の根拠とはすべては氣(情報)だからなんだって存在できるという根拠です。
宇宙人の存在を否定しようが肯定しようが、あなたはすでに宇宙人を存在させているからです。
そしてまた宇宙人という存在が、それをいるのかいないのかと考えるあなたを存在させてもいるのです。
つまり、あなたが意識し思考した時点でその対象は少なくとも情報空間には存在することになります。
あなたは自分の意識と言葉を操ることで自由に簡単に情報空間に変化を与えることが出来ます。
逆に言えば、何かが絶対だとか何かが本当で何かが嘘だと思い込むほど、私たちは自らの言葉で自分を縛り、情報空間を自在に動かせなくなるとも言えます。
「氣」の使い方を洗練するためには、あらゆる物事の重要度を下げ、すべてを「氣のせい」だとらえられるようにならないといけません。
これが「氣功」を使う際のポイントであると同時に、あなたがこの世界の何事からも自由になって『本当の自分』を生きる秘訣でもあります。

馬明香(ま あすか)
氣功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。