もう戦わなくていい ― 感情の波を受け入れるとき
感謝と赦しの4つの扉 ― 過去と自分、そして世界との和解を通して、愛と調和を取り戻す旅 第1章
怒りや不安、焦りや悲しみ。
誰の心にも、静けさを乱す波があります。
けれどその波を否定せず、受け入れたときにこそ、
本当の癒しと自由が訪れます。
氣功の視点から見れば、感情とは“氣の流れ”そのもの。
乱れを整えようとするよりも、ただ感じてみること――
そこから、内なる静けさが息を吹き返します。
戦うことをやめる ― 抵抗の力を抜く
私たちは、苦しみを感じたくないとき、
無意識に「こうあるべき」「こうしてはいけない」と自分に命じています。
その瞬間、心は自分と戦い始め、氣の流れが滞ります。
氣功では、身体と心はひとつの情報場。
どちらかが力むと、もう一方も硬くなる。
「戦わなくていい」
そう決めた瞬間、氣は自然に流れ始めます。
静けさは“作る”ものではなく、戦いをやめたあとに“現れる”もの。
そこに、癒しの第一歩があります。
感じることを恐れない ― 感情は氣の流れ
怒りや悲しみも、氣が動いている証。
それを押さえ込もうとすると滞りが生まれますが、
感じきることで、氣は再び流れ始めます。
氣功の呼吸法では、感情を「修正」するのではなく、
丹田(たんでん)に“還す”ことで整えます。
吸う息とともに感じ、
吐く息とともに解き放つ。
その繰り返しの中で、
「私はこの感情と共にいても大丈夫だ」と感じる瞬間が訪れます。
それが、“心の呼吸”が戻る瞬間です。
静けさは、癒しの入口
静けさとは、何も感じない無ではなく、
すべてを感じた上で、なお動じない心の状態。
外の出来事に反応していた自分が、
ただ観ている自分に還るとき、
心は安らぎを取り戻します。
癒しは、変えることではなく、還ること。
静けさは、内なる自由への扉。
氣功のヒーリングや瞑想で感じるあの安堵は、
まさに「静けさが氣を整える」瞬間なのです。
もう抵抗しなくていい
どんな感情も、あなたを責めるために生まれたのではなく、
あなたを整えるために生まれています。
「苦しい」と感じるときほど、
氣はあなたに語りかけています。
もう、戦わなくていい。
あなたの中の静けさが、すべてを癒してくれるから。
その瞬間、氣はゆるやかに巡り、
心は再び自由を思い出します。
馬明香(ま あすか)
氣功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。