気功について

意識を拡大して自己の本質に触れる方法:大周天

大周天とは

大周天とは、私たちの意識を広げ、自己の本質とつながるための氣功の奥義です。

私たちの思考、つまりマインドはカメラのレンズのように働く性質があります。マインドの働きにより私たちは日常的に細部にフォーカスし、狭く絞られた視野で世界や自分自身を見ています。これはRASといわれる機能のためです。

言い換えれば常に私たちは世界をありのままではなく限定的で、歪んだ形で認識してしまうのです。

しかし、世界をより良く理解し、よりありのままに認識するためには、カメラで広大な景色を捉えるためにズームアウトが必要なように、意識の範囲を広げる必要があります。

 

大周天は、伝統的には宇宙と一体である自分を知覚するための氣功と言われていますが、要するにそれは抽象度をぐんと高めるという意味です。自分の注意(フォーカス)を広げ、意識を拡大することにより抽象度が上がるのです。

抽象度が上がれば上がるほど、潜在的情報量は増える一方で具体的な情報は減るので、大周天では「言語では捉えづらい感覚」が生じます。実はここが大周天の難しいところ、伝えづらいところです。

氣功のことをよく理解していない人は大周天とは何かを言語で理解し、感覚ではなく思考で正解を捉えようとします。が、そもそも氣功全般に言えるのですが、「氣」とは物理ではないので「思考」だけでは理解できないものです。

抽象度が上がれば上がるほど、それは言語化しにくくなるので、大周天を理解しようとするときにその感覚を思考のみでとらえようとすれば、大周天は成立しません。

 

重要なことを言うと、大周天は私たちの狭い視野を広げ、意識をより全体へと拡大していくことでマインドを超越する技なのです。

 

意識を拡大するほど、思考=マインドの束縛が弱まり、「すべてはすでにここにある」という感覚が立ち上がります。これを洗練することにより私たちは「内なる調和」を理解したり、「自己の本質」へと目覚めていくことが出来る。

これが大周天の本当に重要な意義です。

 

大周天の実践を通じて得られる体験

大周天を実践し、自分なりに洗練していくことにより次のような体験や感覚を味わうことができます。もちろんこれは一般化された例であり、個人個人によってその体験や感覚は異なります。

  • マインドの静寂::注意を広げることで思考のざわめきが静まり、抽象度が上がります。
  • 「気づき」の感覚::「あらゆるものをすでに知っている」という深い気づきが得られます。
  • 存在の充足::何かを「為す」必要がなく、ただ「在る」ことの豊かさが広がります。

 

意識の拡大を体験する

大周天を知らなくても、意識を拡大する感覚を体験することはできます。興味があれば簡単なワークをやってみてください。

  1. フォーカスする -今いる場所の目の前にある何か(コップ、自分の指先、パソコンの画面に書かれている一文字…など)に意識を集中させます。もし可能なら美術館に行って一つの作品にできる限り近寄り、ある一部分だけを集中して見るようにします。

  2. 注意を広げる - 特定の対象を手放し、視界を広げ、注意を広げ特定の対象の周囲、空間全体へと意識を向ける。パソコンの画面の一文字からパソコンの画面全体、さらにパソコンを含めた部屋全体。美術館にいるならその作品から少しづつ距離を取り、全体を見るようにする。

  3. 注意を広げた時の感覚に着目- 注意を広げると自然に自動的に体がゆるむのがわかるでしょうか。呼吸が深くなったり、リラックスすることに気づいてください。これが抽象度が上がるということであり、意識が拡大する感覚です。

  4. 切り替えの稽古 - フォーカスと拡張を繰り返し、その感覚の質の違いを何度も体験しましょう。

 

本当の自分へと還る旅

大周天はマインドを超越します。

マインドは「何かを為す」主体として常に対象を見つけ、絶えず動こうとします。コーチングがゴールを達成するために努力はいらないと言っているのは、マインドのエネルギーをうまく使うことによってです。

しかし大周天であるときには、何かを成し遂げる必要がありません。すべてはすでにここにあり、ただ在ることの充足が広がっている、そんな感覚を得るからです。そして、それこそが『本当の自分』そのものなのです。

 

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