── 馬 明香(ま あすか)
試練から生まれた“静けさの氣功” ─ 三和氣功の物語
氣功とは、
癒しの技術ではなく「生き方そのもの」。
その想いが形になったのが、三和氣功です。
師である馬 光文老師との出会い、
そして介護という試練の中から新しい氣功の形が生まれました。
明香
1. 幼いころの“祈り”からはじまった道
幼いころ、私は人の輪に入るよりも、本を読むことが好きな子どもでした。
そんな私の心を強く惹きつけたのは、釈迦とイエス・キリストという二人の存在でした。
病める人を癒し、迷う人を照らすその姿に、子どもながらに「私もこんなふうに人を癒したい」と思ったこと。
それが、私の人生の最初の祈りでした。
その憧れは静かに心に根づき、やがて“人を癒す道”として現実の人生に形をとっていきました。
2. 癒しの探究と、氣功との出会い
大学では宗教心理学を専攻し、「治癒とは何か」をテーマに卒業論文を書きました。
人が病を経て変化するとき、そこには「心と身体の統合」が起こる──
その神秘に惹かれ、卒業後は鍼灸・あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。
外資系ホテルのトップセラピストとして国内外の多くの方に施術を行い、
音楽療法士養成校で解剖生理学を教え、
オーストラリアでリメディアルマッサージを学び、
心理学やヒーリングの技法も探求しました。
けれど、どんなに技術を磨いても、「なぜ治癒が起こる人と起こらない人がいるのか」という問いは消えませんでした。
その答えを探す中で出会ったのが──氣功。
氣功は、物理的な刺激でも言葉でもなく、**生命の本質=氣(情報)**に働きかける術。
「治す」のではなく、「自然に還る」力を呼び覚ます道。
それこそが、私が幼いころに憧れた“癒し”の原点でした。
3. 師・馬光文との出会い
医術氣功の大家である馬 光文(ま こうぶん)老師との出会いが、私の人生の流れを変えました。
老師は、中医学・経絡学・武術氣功を背景に、
心身の調和を“情報の整え”として体系化した独自の医学氣功を実践していました。
私はその深い世界観と、
「氣功とは、愛と調和を生きる智慧である」という老師の教えに心から共鳴し、
弟子として、そして伴侶として共に歩み始めました。
4. さんわヒーリングワークスの創設(2018)
2018年、馬老師と共に中国へ拠点を移し、
三和氣功治療勉強センターの基盤をもとに
『さんわヒーリングワークス』 を設立しました。
それは、特定の場所を持たず、オンラインで氣功を届ける“氣の学びと癒しの場”。
国や言葉を越えて、人々が「氣でつながる」ことを願って始めた新しい試みでした。
5. 三和氣功の誕生 ─ 試練の中から生まれた新しい形(2020)
やがて、馬老師が脳梗塞で倒れました。
私は、つきっきりで介護をする日々に入りました。
氣功の指導も活動も、これまでのようには続けられなくなり、
自宅でできることを探しながら、
“氣功の灯を絶やさずに伝える方法”を模索しました。
そのとき、私は悟ったのです。
氣功とは「外に向けて何かをする」ことではなく、
「どんな状況の中でも、内なる調和を生きること」そのものなのだと。
この体験をきっかけに、私は活動のすべてをオンラインに切り替え、
馬老師の自由な氣風と、「三和氣功」という名に込められた願いを未来へつなぐことを決意しました。
**三和(さんわ)**とは、
「天・地・人」──宇宙と自然と人の三つが調和している状態。
また「心・身体・魂」の三位が一体となる調和の象徴でもあります。
こうして『さんわヒーリングワークス』は、2021年に新たに**『三和氣功』**として再誕しました。
多くのクライアントとの出会いを通して、
「氣功は癒しの技術ではなく、生き方そのものだ」という確信が深まり、
三和氣功はやがて“内なる自然と調和して生きる人”を育てる場へと進化していきました。
6. 現在とこれから
いまの時代、外の正解よりも「内なる自然」に還ることが求められています。
三和氣功は、氣功を通して**“本当の自分を生きる”ための道**を伝えています。
それは、無為自然の教えに通じる“静寂の氣功”──
自然の流れに身をゆだね、愛と調和の意識を生きること。
私はこれからも、
氣功という古くて新しい道を通して、
ひとりひとりが「天地人の和=三和」に還る旅を共に歩んでいきます。
資格・経歴
- 鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
- アロマセラピスト
- 三和氣功認定 氣功師・氣功整体師
- Australasian College of Natural Therapies 修了(Remedial Massage Diploma)
- 日本教育臨床研究所認定 身心カウンセラー(橋口英俊師)
三和氣功は、「癒し」から「生き方」へと続く道です。
もし、この物語に何かを感じてくださったなら──
次のページで、もう少し深く触れてみてください。