はじめに
「気功を始めてみたけれど、気を感じられない」
「自分には才能がないのでは?」
そう思って一歩を止めてしまう人が少なくありません。
しかし実際には、気を感じることは特別な能力ではなく、誰でも持っている自然な感覚です。
この記事では、
- 日本人がもともと持つ「氣を感じる感性」
- 認知科学・脳科学の観点から見た「氣」
- 気を感じない人へのアドバイス
を整理し、安心して氣功の世界に入れるヒントをお伝えします。
1. 日本語に根付く「氣」の感性
日本語には「氣」がつく表現が驚くほど多く存在します。
- 気持ち
- 気分
- やる気
- 雰囲気
- 気迫
- 気配
これらはすべて、見えない「氣」をすでに感じているからこそ生まれた言葉です。
つまり「氣を感じる」とは特別なことではなく、私たちが日常的に体験している自然な感覚なのです。
2. 認知科学・脳科学から見た「氣」
感覚統合としての氣
私たちの脳は、皮膚感覚(温かさ・圧)、内受容感覚(呼吸・鼓動)、感情の変化を統合して「全体的な体験」として認識します。
これが「氣を感じる」と表現される現象の正体です。
言語と共感覚
「気が重い」「気が晴れる」といった表現は、言葉が実際の身体感覚や感情とリンクしている例。
認知科学ではこれを言語と感覚の共感覚と呼びます。
つまり「氣を感じる」とは、脳が言葉と体感を結びつける自然なプロセスなのです。
自律神経の変化
氣功を行うと、呼吸が深まり、体が温かくなり、心が落ち着きます。
これは自律神経のバランスが変化することによるもの。
副交感神経が優位になると、「氣が流れている」という感覚が生まれます。
ミラーニューロンと場の共鳴
人と一緒に練習すると「相手の落ち着きが伝わって自分も落ち着く」ことがあります。
これは脳内のミラーニューロンによる共鳴で、古来から「気配」「雰囲気」と呼ばれてきました。
3. 「氣を感じない」と思う人へのヒント
小さな変化も氣の体感
- 呼吸が深くなる
- 肩の力が抜ける
- 気持ちが落ち着く
これらはすべて氣が動いたサインです。
強いビリビリ感だけが氣ではありません。
日常の体験に氣はある
- 人混みに行くと疲れる
- 森や海に行くと心地よい
これも氣の影響。
すでに誰もが氣を感じているのです。
4. すぐできる「氣を感じる」簡単ワーク
🌱 ワーク1:手のひらの氣を感じる
- 両手をこすり合わせて温かさを感じます。
- そのまま手を少し離し、手のひら同士を向かい合わせにしてみましょう。
- じんわりとした温かさや、空気のクッションのような感覚があれば、それが氣の流れです。
👉 ほとんどの人が「温かさ」や「圧」を感じられます。これも立派な氣の体験です。
🌱 ワーク2:胸に手をあてる
- ゆったり息を吐きながら、胸に片手をあてます。
- 呼吸に合わせて、胸の奥が少し広がったり、温かさが広がったりする感覚に意識を向けてみましょう。
- 「安心」「落ち着き」が戻ってくるなら、それも氣が動いたサインです。
まとめ
- 氣を感じるとは、科学的に説明できる自然な感覚
- 日本語に豊かな「氣」の表現があるのは、私たちがすでに氣を認識している証拠
- 「氣を感じられない」と思う人も、実は小さな体験の中で氣に触れている
- 手のひらや胸に手をあてる簡単ワークで、誰でも氣の流れを体感できる
氣功の目的は「氣を感じること」そのものではなく、心身の調和を取り戻し、自然体で生きることです。
氣を感じる感性は、その過程で自然に育っていきます。
もし「もっと深く学んでみたい」と思った方は、ぜひ 氣功師養成講座・基礎 へお進みください。
初心者の方でも安心して、氣の体感と基礎を体系的に身につけられるカリキュラムをご用意しています。


馬明香(ま あすか)
氣功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。