流れゆく世界~陰陽五行と諸行無常
私たちが生きるこの世界は、永遠に変化し続けるダイナミックな世界です。
中国の古代哲学が説く「陰陽五行」と仏教の「諸行無常」「諸法無我」は、この世界観について教えてくれる概念であり、私たちという存在そのものや気功とは何かを深く理解するためにも重要なカギとなります。
そしてそれは、自己を見つめ直して『本当の自分』真の自己へと目覚めるための指針となります。
陰陽五行の調和
「陰陽五行」とは中国の古代哲学における概念です。
気の世界では、すべての始まりは「太極」という、完全な調和と無限の可能性を秘めた混沌状態。
そこから生まれたのが、陰と陽の二つの気です。この陰陽は相反しながらも、常に互いに結びつき作用しあい、新たなものを生み出していきます。
陰陽の二気はさらに五行—木、火、土、金、水という5つの気の性質を帯びてそれらが互いに生かし合い(相生)、制約し合い(相克)ながら森羅万象を形作っていきます。
この「相生相克」の関係性は、自然界だけではなく、私たちの内面の調和の在り方を示しています。
諸行無常と情報空間
仏教における「諸行無常」は、すべてが移ろい、永遠ではないという真実を語示しています。さらに「諸法無我」という考えは、物事が独立して存在しているわけではなく、「個」(「我」)というものは、すべて関係性の中に形成されるものであって永遠不変の実体がない(すべては幻想である)ことを示しています。
「陰陽五行」や「諸行無常」のような「真理」が示していることは、すべては情報であるということです。
これは、現代において私たちが「氣」について理解し、そして「情報空間」として知られている概念を理解するために非常に重要な視点です。
関係性の中に生まれる動的なバランスのなかにこそ私たちの「生命場」である情報空間が存在しているのです。このことを釈迦は有名な「縁起」という言葉で指し示しました。
自己探求と創造主としての視点
すべては情報である。この真実を通して私たちは’自分’を見つめなおし、自分への新たな認識を得ることができます。
’自分’という存在も「情報空間」と私たちが呼んでいる、絶え間なく変化する情報のネットワーク宇宙、即ち「縁起」の中の「情報」として存在しています。
すなわち情報であればこそ’自分’も’宇宙’もお互いの関係の中で変容し続けるもの、すべてはインタラクティブに存在しています。
このような視点で自分自身を見つめなおすと、自分の存在そのものや自分の思考や行動が宇宙全体に影響を与え、またそれがフィードバックされて自分が変容することを深く理解することができるはずです。
そして、このことは私たちが現実を変化させ、また新たに創造する力を持つ存在であるという気づきにつながります。
あなたの思考や行動によって宇宙全体は影響を受け、変化します。
つまりあなたは、あなたの「意識」をとおして世界を変容させ、新たな創造を生み出すことが出来る。
これが気功の本質なのです。

馬明香(ま あすか)
氣功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。