気功について 無為自然な生き方~三和氣功

新しい流れ、自然の流れに乗りたい人は「中点」について考えよう。

「天人合一」にみるフラクタル構造

天人合一とは、氣功の背景にある世界観です。

宇宙と自分が一体となる境地を指してもいますし、人という存在そのものが大宇宙の縮図だという、フラクタルな世界観を示すものです。

このフラクタルで統合的な発想は非常に東洋的で、西洋の哲学であるデカルトの二元論とは真逆の観点とも言えます。

西洋では物事より細分化し、専門性にわけてみることで認識を深めようとします。

部分をより部分に分けて「部分」に焦点を当てるのです。

これに対して東洋では、部分を部分として認識するのではなく、部分に全体をみるとか、部分を統合していくことでより大きな全体を認識していくという、「全体性」へ焦点があたります。

「何事もバランスが大事」という考え方は、まさにこの東洋的な哲学から生まれた価値観です。

細分化し、徹底的に部分だけを追求すれば、その部分については詳細な情報が得られるものの、偏りが生まれ視野狭窄になることによるデメリットを回避するためにとても役立つ発想です。

ある一つの部分だけを見ていると抽象度が下がってしまうので、具体性や詳細さを得られるメリットはありますが、それだけ可能性や方向性が制限されてしまうのです。

 

潜在的な可能性を引き出すための「中点」

バランスとは平衡という意味です。

平衡とはすなわち「中点」のことです。

平衡とは全体の「中点」を得て始めて生じる状態だからです。

平衡を生み出すためには、必ず、分離しているものや対極にあるものを「統合」して「全体」の中点を得る必要があります。

三和氣功には「振動平陰陽」という氣功がありますが、まさにこれは陰陽の中点、自分自身の中点を得るための氣功なのです。

陰陽の中点に立つことで、より沢山の情報の中心から、部分を見ているだけでは手に入らなかった潜在化していた情報をも引き出されていくことがバランスを取ることのメリットです。

バランスを取るという考え方は、

・日常的には例えば皆の意見を聞いて決める
・物事の悪いところだけ見るのではなく良いところも見る
・ネガティブな感情も受け入れてみる
・物事を色んな角度から捉えてみる
・長い目で見る
・嫌なことにも挑戦してみる
・好き嫌いなく食べる

例えばそんな感じで活かすことが出来ますよね。

より沢山の概念や状態、物や方法などの集合の中からバランスを取ることでより沢山の解決策や方向性や選択肢をそこから引き出すことが出来て、それがより良いあり方や生き方へとつながっていくわけです。

 

中点こそ創造の場

全体の真ん中である中点は、いわばどの方向も、どの可能性も選べる観点です。

つまりすべて(の可能性)があるところ。故にすべてがないところでもあります。

プラスもマイナスもそこにあるので、打ち消し合ってそこはゼロになります。

つまり、すべてが交わるゼロの地点である中点を得ると、それまでの方向性や流れはリセットされそこからまた新しい流れを生み出すことが出来ます。

このゼロの中点は、縁起(関係性)における陰と陽が交わる創造の場なのです。

氣功の背景にある「道 タオ」とは、すべての事象の後ろにある、そのような創造原理であり、創造の源でもあります。

そこは中点、陰でも陽でもない故に、私たちの自我意識のコントロールが及ばないところ、自分という限界を越えた流れが生み出され、縁起が書き換わる場なのです。

私たちは、この「中点」の観点を自分の中に得ることによって物事を創造できるのです。「道 タオ」の創造性に委ねて、新しい流れを生み出したり、流れに乗ってあるべきところ、行くべきところに向かって行くことができるようになります。

これが流れに委ねる、自然体で生きる、或いは無意識に委ねるということの根本です。

陰陽を統合する、全体性を得る、すると自ずと中点が生まれます。

バランスを取る(平衡)ということの本質的な意味です。

バランスを取るということは実は沢山の可能性から、いままでとは違う新しい流れを創造するための秘訣なのです。

 

部分の重要性とフラクタルな視点

それでは「部分」は重要ではないのか?

抽象度が低いことはデメリットなのか?

といえば、そうではありません。

全体は部分の集合であるからには、部分に焦点を当て部分を知る事も大切な事です。

抽象度という観点から言えば、抽象度を上げることが最重要ではなく、抽象度の上げ下げが出来ることが大切です。

抽象度の高い、低いを知ることによってより広い全体を統合することが出来ます。

つまり、低い抽象度である部分を知ることなくして抽象度は上がらないし、より抽象度を高めるためにはより低いところを知らなければならないのです。

例えば氣功の練習で言えば、大周天ばかりをやっていても大周天の精度は上がらないということ。

基本的な氣功にも取り組んでそこで得るものがあるからこそ、大周天も深めていけるのです。

ゴールも同じ。抽象度の高いゴールはより具体的で日常に落としたゴールに支えられています。

日常の小さなゴール達成の積み重ねや小さなゴールの更新なくして、高いゴールは手に入らないのです。

全体と部分、高低、大小など、対極を交互に観ていくことが大事なのです。

そうすることで、認識出来る「全体」の情報量は大きくなり、中点を生み出すエネルギー量が上がり、より高い創造性を手にすることとなります。

ですから、人生において経験するネガティブな出来事や抽象度の低い感情や、マイナスだと思えるあらゆる事を嘆く必要はないのです。

そうしたことを避けたり、否定するのではなく自分に統合していくことで、あなたの世界は広がり、扱える情報量が増えていきます。

そのようにして、部分(低い抽象度)と全体(高い抽象度)の縁起を観る力が、部分から全体を知る、この世界を構成するたった一つの事象に宇宙全体を観るというフラクタルな視点を養っていきます。

石ころ一つに宇宙を観る、日常のほんの些細な出来事に生きる歓びを見いだす、といった観点です。

部分にフォーカスしながら、そこに全体を観るのです。

陰陽論で言えば、陰と陽にはそれぞれにまた陰陽の要素があり、更にその陰陽にもそれぞれに陰陽の要素があるという、陰の陽があり、陰の陰があり、陽の陰があり、陽の陽があるという、物事のすべてのレベルにおいて陰陽の縁起が生じていく世界の構造を観ることになります。

このように部分と全体を同時に観る視点こそ中点です。

よって私たちは一つ一つの部分や断片をないがしろにせず大切にすることなくして、バランスを取ったり中点を観ることはできないのです。

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