心と気功 気功について

「ありがとう」の氣 ― 言葉が世界を整える理由── 言霊・陰陽・脳科学の視点から

2025年11月17日

「ありがとう」と口にした瞬間、心が静まり、呼吸がふっと深くなることがあります。
たとえ感謝できる状況でなくても、この言葉をつぶやくだけで、胸のざわめきがやわらぐことがあります。

氣功では、この変化を “中点に戻る” と言います。
悲しみ(陰)にも、高ぶり(陽)にも偏らず、中心の静けさに立ち戻る働きです。

「ありがとう」という言葉は、まさにこの“中心”の氣を帯びています。

 

 

ありがとうは「中点の氣」── 感情を否定せず中心へ戻す言霊

「ありがとう」は感情の波を抑え込むための言葉ではありません。

悲しみに沈んでいるときにはわずかに浮上させ、
喜びに偏っているときには静けさへ導いてくれます。

これは感情を中心意識(中庸)へ戻す働きです。

中点とは、

・善悪を超え
・感情を否定せず
・現実をそのまま見守り
・静かに受け入れる

そんな意識で、氣功の真髄である観照に近い状態です。
「ありがとう」は、その中心につながる入り口になります。

 

ありがとうは自己受容のスイッチ── 抵抗がほどけ、氣が流れ始める

感謝できるかどうかに関係なく、「ありがとう」とつぶやくと、心の奥の“抵抗”がほんの少しやわらぎます。

許せないとき
腑に落ちないとき
どうしても受け入れられないとき

そうした状態でも、言葉を発した瞬間に脳と身体は肯定のモードに切り替わります。

起きているのは、とてもシンプルな流れです。

抵抗がほどける
 → 中点に戻る
 → 氣の流れが再起動する

人生が停滞して見えるとき、それはエネルギーが中心へ戻ろうとしている合図でもあります。
「ありがとう」という言葉は、この中心へ戻る流れを静かに、やさしく後押ししてくれるのです。

そして大切なのは、
本心が追いついていなくても大丈夫だということです。

言霊としての「ありがとう」は、心をねじ伏せるためではなく、
痛んでいる自分を罰しないための小さな祈りなのです。

 

 「ありがとう」は、誰かのためではなく”自分をゆるすための言霊” 

「ありがとうを言えば良いことが起きる」
「どんなことにも感謝しなければならない」

そう信じて、無理に“ありがとう”を言おうとして苦しくなる人がいます。

 

けれど、 感謝の本質は「お礼」ではありません。

ありがとうは、“良い未来を引き寄せる魔法の言葉”ではありません。

誰かや自分を許すための立派な言葉でもありません。

 

「ありがとう」は、外側の出来事に向ける必要はない

人はときに——

  • 許せない相手
  • 納得できない状況
  • 理不尽な出来事
  • 傷つけられた過去

これらに無理やり「ありがとう」と言おうとします。

「感謝すれば良いことが起きる」「感謝=良いこと」と思い込み、言えない自分を責めてしまう。

しかし、それでは心は二重に苦しくなるだけ なのです。

なぜなら、本心はまだ痛んでいるのにその感情を“間違い”と判断し、
上から感謝をかぶせようとしてしまうから。

許せない気持ちを否定したり、押しつぶすためのありがとうは、
言霊ではなく 自己否定の道具 になってしまいます。

 

だから、言わなくていい。言えないなら、そのままでいい。
あなたの心が、まだ痛んでいるだけです。

感謝は、正しい人になるための訓練”ルールではありません。

 

では、ありがとうは何のためにあるのか?

答えはひとつ。
今苦しんでいる“自分”を罰しないためです。


ありがとうは、外側の誰かや出来事に向ける必要はありません。

言えないときは、
空に、
宇宙に、
朝の光に、
カップのコーヒーに、
今日の空気に、
そっと言えばいい。

その「ありがとう」がやがて 内側の自分に返ってくる からです。
感謝の言葉は、どんな自分も赦し愛するためにあるのです。

 

 

言霊としての「ありがとう」が整えるもの

── 場と身体と氣の周波数

日本には、言葉に霊が宿るという“言霊”の思想があります。

言霊とは、
意味 × 響き × 意識 × 音の振動
これらが重なって生まれる“氣の現象”です。

「ありがとう」が高い周波数を持つと言われるのは、
受容(陰)・祝福(陽)・中心意識(中点)が同時に起こるからです。

無理に言えば周波数は乱れ、
自分をゆるすために言えば周波数は整います。

言霊は“場”に作用します

「ありがとう」と口にすると、空気がやわらぎ、重さが抜け、
その場の陰陽の配置が静かに整っていきます。

寺院や祈りの場が澄んで感じられるのも、
そこに心を鎮める言葉や祈りの響きが満ちているからです。

言霊は“身体”にも作用します

胸腺・心包・迷走神経・横隔膜など、

氣の循環、感情、受容、調和に深くかかわる中丹田に関わる領域がゆるみ、氣が巡り始めます。

つまり、「ありがとう」は身体を通して氣の循環を再起動する言霊でもあるのです。

 

 

科学と氣功が示す「ありがとう」のリアル── 心・身体・現実は同時に整います

感謝を感じたり、言葉にしたりすると、脳内では

・セロトニン(心の安定)
・ドーパミン(喜びと活力)
・オキシトシン(安心とつながり)

といったホルモンが分泌され、
ストレスホルモンであるコルチゾールが減少します。

その結果、副交感神経が優位になり、
呼吸・血圧・心拍が落ち着いていきます。

心理学的にも、感謝は脳の“脅威反応”を弱め、
前頭前野(判断・理解・抽象化)を活性化させることがわかっています。

つまり「ありがとう」は、


神経
ホルモン
意識

場(空間)

これらの層で同時に調和を起こす現象なのです。

 

 

ありがとうの瞑想

 中点へ戻り、世界をやさしく祝福するワーク

① 胸に手を置く
温かくても冷たくても、そのままで大丈夫です。

② 呼吸を深くしようとせず、自然に任せる

③ 心の中でそっと「ありがとう」と置く
誰に向けても、向けなくても大丈夫です。

空に
光に
コーヒーに
あなた自身のいのちに
ただ言葉を置きます。

④「響き」を感じる
胸の奥に言葉が落ちていくような感覚があれば、それで十分です。

⑤ 感情や思考を変えようとしない
ただ流れに任せます。

⑥ 氣が静かに巡り始める
胸・背中・丹田に温かさを感じることがあります。

⑦ その余韻を世界に少しだけ広げる
何も起きなくてかまいません。
静けさだけがそこにあります。

ありがとうの瞑想は、
観照 × 調和 × 自己受容
が同時に起こるやさしいワークです。

結び

ありがとうは、世界を調律する言霊です

ありがとうは、許せない相手に向けるための言葉ではありません。
苦しんでいる自分を罰しないための言霊です。

いまの自分をそのまま肯定し、
中心(中点)へ戻るための
最も静かで、最もやわらかなヒーリングです。

言えないときは言わなくてよいのです。
言えるときだけで十分です。
言えない自分もそのままでよいのです。

心がふっとゆるむ瞬間に、静かに「ありがとう」と置いてみてください。
その小さな響きは、あなたの内側と世界を、
確かにやわらかく整えていきます。

 

 

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