「ありがとう」と口にした瞬間、心が静まり、呼吸がふっと深くなることがあります。
たとえ感謝できる状況でなくても、この言葉をつぶやくだけで、胸のざわめきがやわらぐことがあります。
氣功では、この変化を “中点に戻る” と言います。
悲しみ(陰)にも、高ぶり(陽)にも偏らず、中心の静けさに立ち戻る働きです。
「ありがとう」という言葉は、まさにこの“中心”の氣を帯びています。
ありがとうは「中点の氣」── 感情を否定せず中心へ戻す言霊
「ありがとう」は感情の波を抑え込むための言葉ではありません。
悲しみに沈んでいるときにはわずかに浮上させ、
喜びに偏っているときには静けさへ導いてくれます。
これは感情を中心意識(中庸)へ戻す働きです。
中点とは、
・善悪を超え
・感情を否定せず
・現実をそのまま見守り
・静かに受け入れる
そんな意識で、氣功の真髄である観照に近い状態です。
「ありがとう」は、その中心につながる入り口になります。
ありがとうは自己受容のスイッチ── 抵抗がほどけ、氣が流れ始める
感謝できるかどうかに関係なく、「ありがとう」とつぶやくと、心の奥の“抵抗”がほんの少しやわらぎます。
許せないとき
腑に落ちないとき
どうしても受け入れられないとき
そうした状態でも、言葉を発した瞬間に脳と身体は肯定のモードに切り替わります。
起きているのは、とてもシンプルな流れです。
抵抗がほどける
→ 中点に戻る
→ 氣の流れが再起動する
人生が停滞して見えるとき、それはエネルギーが中心へ戻ろうとしている合図でもあります。
「ありがとう」という言葉は、この中心へ戻る流れを静かに、やさしく後押ししてくれるのです。
そして大切なのは、
本心が追いついていなくても大丈夫だということです。
言霊としての「ありがとう」は、心をねじ伏せるためではなく、
痛んでいる自分を罰しないための小さな祈りなのです。
「ありがとう」は、誰かのためではなく”自分をゆるすための言霊”
「ありがとうを言えば良いことが起きる」
「どんなことにも感謝しなければならない」
そう信じて、無理に“ありがとう”を言おうとして苦しくなる人がいます。
けれど、 感謝の本質は「お礼」ではありません。
ありがとうは、“良い未来を引き寄せる魔法の言葉”ではありません。
誰かや自分を許すための立派な言葉でもありません。
「ありがとう」は、外側の出来事に向ける必要はない
人はときに——
- 許せない相手
- 納得できない状況
- 理不尽な出来事
- 傷つけられた過去
これらに無理やり「ありがとう」と言おうとします。
「感謝すれば良いことが起きる」「感謝=良いこと」と思い込み、言えない自分を責めてしまう。
しかし、それでは心は二重に苦しくなるだけ なのです。
なぜなら、本心はまだ痛んでいるのにその感情を“間違い”と判断し、
上から感謝をかぶせようとしてしまうから。
許せない気持ちを否定したり、押しつぶすためのありがとうは、
言霊ではなく 自己否定の道具 になってしまいます。
だから、言わなくていい。言えないなら、そのままでいい。
あなたの心が、まだ痛んでいるだけです。
感謝は、正しい人になるための訓練”ルールではありません。
では、ありがとうは何のためにあるのか?
答えはひとつ。
今苦しんでいる“自分”を罰しないためです。
ありがとうは、外側の誰かや出来事に向ける必要はありません。
言えないときは、
空に、
宇宙に、
朝の光に、
カップのコーヒーに、
今日の空気に、
そっと言えばいい。
その「ありがとう」がやがて 内側の自分に返ってくる からです。
感謝の言葉は、どんな自分も赦し愛するためにあるのです。
言霊としての「ありがとう」が整えるもの
── 場と身体と氣の周波数
日本には、言葉に霊が宿るという“言霊”の思想があります。
言霊とは、
意味 × 響き × 意識 × 音の振動
これらが重なって生まれる“氣の現象”です。
「ありがとう」が高い周波数を持つと言われるのは、
受容(陰)・祝福(陽)・中心意識(中点)が同時に起こるからです。
無理に言えば周波数は乱れ、
自分をゆるすために言えば周波数は整います。
言霊は“場”に作用します
「ありがとう」と口にすると、空気がやわらぎ、重さが抜け、
その場の陰陽の配置が静かに整っていきます。
寺院や祈りの場が澄んで感じられるのも、
そこに心を鎮める言葉や祈りの響きが満ちているからです。
言霊は“身体”にも作用します
胸腺・心包・迷走神経・横隔膜など、
氣の循環、感情、受容、調和に深くかかわる中丹田に関わる領域がゆるみ、氣が巡り始めます。
つまり、「ありがとう」は身体を通して氣の循環を再起動する言霊でもあるのです。
科学と氣功が示す「ありがとう」のリアル── 心・身体・現実は同時に整います
感謝を感じたり、言葉にしたりすると、脳内では
・セロトニン(心の安定)
・ドーパミン(喜びと活力)
・オキシトシン(安心とつながり)
といったホルモンが分泌され、
ストレスホルモンであるコルチゾールが減少します。
その結果、副交感神経が優位になり、
呼吸・血圧・心拍が落ち着いていきます。
心理学的にも、感謝は脳の“脅威反応”を弱め、
前頭前野(判断・理解・抽象化)を活性化させることがわかっています。
つまり「ありがとう」は、
脳
神経
ホルモン
意識
氣
場(空間)
これらの層で同時に調和を起こす現象なのです。
ありがとうの瞑想
中点へ戻り、世界をやさしく祝福するワーク
① 胸に手を置く
温かくても冷たくても、そのままで大丈夫です。
② 呼吸を深くしようとせず、自然に任せる
③ 心の中でそっと「ありがとう」と置く
誰に向けても、向けなくても大丈夫です。
空に
光に
コーヒーに
あなた自身のいのちに
ただ言葉を置きます。
④「響き」を感じる
胸の奥に言葉が落ちていくような感覚があれば、それで十分です。
⑤ 感情や思考を変えようとしない
ただ流れに任せます。
⑥ 氣が静かに巡り始める
胸・背中・丹田に温かさを感じることがあります。
⑦ その余韻を世界に少しだけ広げる
何も起きなくてかまいません。
静けさだけがそこにあります。
ありがとうの瞑想は、
観照 × 調和 × 自己受容
が同時に起こるやさしいワークです。
結び
ありがとうは、世界を調律する言霊です
ありがとうは、許せない相手に向けるための言葉ではありません。
苦しんでいる自分を罰しないための言霊です。
いまの自分をそのまま肯定し、
中心(中点)へ戻るための
最も静かで、最もやわらかなヒーリングです。
言えないときは言わなくてよいのです。
言えるときだけで十分です。
言えない自分もそのままでよいのです。
心がふっとゆるむ瞬間に、静かに「ありがとう」と置いてみてください。
その小さな響きは、あなたの内側と世界を、
確かにやわらかく整えていきます。
🕊️ 今のあなたへ──やさしく氣が整う時間
ありがとうが心をほどくように、
静けさの中で“自然に調和に戻る”体験があります。
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馬明香(ま あすか)
氣功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。