お知らせ

頑張ることを辞めてみよう

全力で頑張りなさい!
もっと頑張らないと!

この「頑張る」とは、
古い時代の、機能しない価値観です。

私がご指導を受けた心理技術の先生はこんな風にして
説明してくださいました。

先生はペンを差し出して私に言います。
「さあ、こばやしさん、このペンを’頑張って’とってみてください」
頑張ってと言われた私は、’頑張って’とってみようとするのですが、
これがかえって難しいのです。
どうやって頑張ればいいのか困惑してしまいます。
頑張ることを表現するために腕や肩に力を入れてみたり、
手をぎこちなく動かしてみたり…、
恥ずかしいし、疲れるし、良いことなしです。笑

ここで先生が示してくださったことは、
何かを手に入れるのに、頑張ったらむしろ難しいよ!
ってことなのです。
何かを手に入れたかったら、
シンプルにそれを手に入れれば済む話
じゃないかということを、
身体をつかって教えてくださいました。

まずもって、私たちは何世代にもわたって
「頑張らないと成果が出せない」という思い込みを持っています。
あまりにも長く受け継がれてきた信念なので、
皆それが真実だと信じていて、疑いもしません。

だから、
何かを達成するのに
わざわざ私たちは超えるべき「壁」を想定してしまいます。

でも、成果を得るためには頑張る必要があるということも、
超えるべき「壁」も、
自分たちでつくり出して書き込んだ情報に過ぎないのです。

おかしなもので、
「壁が立ちはだかっている」と口にするだけでも
まるで目の前に分厚く高い壁がドーンと立ちふさがっているかのような
イメージを伴った体感を私たちは感じることが出来ます。

実際にはないものを、身体はあると感じてしまうのです。
気功をお勉強していればよく分かると思いますが、
実際にはなくても、体感を伴うイメージを持てば、
身体レベル=無意識レベルでは、
私たちはそこに壁がある、壁があるから前に進めないと
認識してしまうのです。

しんどい思いや苦労しないと幸せになれないという
価値観は身体レベルで私たちにすり込まれているので、
私たちはほぼ反射的にもっと頑張らないと、
身体が動いてしまうのです。
そしてありもしない壁をリアルなものにしてしまいます。

そしてこの頑張ることの弊害は身体にも現れます。

真面目な人ほど、頑張りに頑張りを重ねて、
身体をガチガチに緊張させ、疲弊させ、
身体の軸を完全に見失ってしまいます。

身体の軸とは、身体を重力にそって、
まっすぐに通る軸の感覚ですが、
要は自分軸ということなのです。
自分が何ものでどこに向かうのかが自分で分かる、
誰にでも備わっている身体感覚です。

この軸の感覚、何ものにも左右されない
ニュートラルな感覚からかけ離れれば離れるほど、
私たちは自分を見失い、
自分を他者にコントロールされるようになってしまいます。
向かうべき場所、歩むべき道を見失ってしまい、
さらに頑張り続けてるしか道が見えなくなって、
軸から離れ続けてしまうという悲劇に
身を投じることになります。

気功とは、そうした身体とのつながりを取り戻し、
自分軸を身体に見いだしていくためのツールです。
生きることをよりシンプルにしていくために
長い時間をかけて取り組み続けていく技であり、
そのための学問といえますね。
人間の心の働き、身体との関わりを
身体レベルで学んでいくと、
誰でも自分の軸に近づいていきます。

とりあえず今すぐあなたにできる
とてもシンプルなことは
「頑張らないこと」です。
頑張るのを辞めましょう。

頑張れば頑張るほど心と身体が疲弊して
生きるという、本来はとてもシンプルなことが
どんどん困難になってしまうのです。
前に進むためにどうすれば良いのか、
現状を変えるためにどうすれば良いのか、
身体はちゃんと知っているのに、
そこからどんどん離れていってしまうのです。

とはいえ、頑張るのを辞めることは
そんなに簡単なことではありません。
それくらい、私たちは「頑張る」ことを
身体にすり込ませています。
無意識についつい頑張ってしまうのです。

ですから、頑張るのを辞めるということと同時に
頑張っている自分に気づくようにしていきましょう。

頑張るのを手放して初めて見えてくる世界があります。

身体の感覚とのつながり、軸ができてくると、
余計なものがそぎ落とされ、
進むべき道も自然に見えるようになっていきます。

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