縁起(えんぎ)とは、この世界のあらゆる現象が “関係”によって生まれ続けている という智慧。
何かが単独で存在するのではなく、環境・他者・時間・意識・身体…
すべてが互いに影響し合っているという視点です。
三和氣功が大切にする「つながり」の感性は、この縁起の理解から始まります。
❖ 縁起とは「単独では生まれない」という智慧
仏教の縁起は、
「すべては条件(縁)がそろうことで起こり、条件が変われば姿も変わる」
という教え。
人も感情も出来事も、“それだけ”で存在することはない。
身体の緊張は心とつながり、心のざわめきは環境とつながり、
環境の変化はまた身体へと返っていく。
世界は“互いに生み合っている”のです。
そして、個の存在は、その絡み合い=関係性ありきで成立しています。
関係性そのものがこの世界なのです。
❖ 身体・心・世界はひとつの循環
三和氣功では、縁起はもっと体感的です。
- 身体の力みをほどくと心がゆるむ
- 心が静まると身体の深部が動き出す
- それが人間関係や現実へ静かに影響する
身体・心・世界は切り離せない。
これは「縁起」の実践的な理解ともいえます。
現象は“私の外”から起きるのではなく、内外が同時に影響し合って生まれている。
三和氣功のヒーリングが「現実の流れまで変わる」ように感じるのは、
この循環と深く関わっています。
❖ 時間の縁起 ─ 未来が過去を癒すという視点
縁起の智慧の中でも、三和氣功が特に大切にしているのが“時間の縁起”。
- 過去が今をつくるだけではなく、
- 未来が今と過去を癒す
という視点です。
未来に向けて一歩踏み出すと、過去の出来事の意味が変わり、
心の傷が自然にほどけていくことがある。
「癒されてから前へ進む」のではなく、前へ進むから癒しが起こる。
これも立派な縁起の現れです。
❖ 縁起は“つながり”の感性を育てる
縁起の理解が深まるほど、私たちは世界を“固いもの”としてではなく、
- 移りゆくもの
- つながっているもの
- お互いに支え合うもの
として感じられるようになります。
そのとき、自分を責める必要も、
他者を切り離す必要も、未来を恐れる必要もなくなる。
縁起とは、世界とやさしくつながるための智慧なのです。
三和氣功における縁起
三和氣功のヒーリングやワークは、縁起を“身体で理解する”実践です。
- 触れられるだけで涙がほどける
- 静けさに入ると自然に感情が溶ける
- 誰かに感謝すると身体の奥が温かくなる
これらはすべて、内と外が同時に波紋のように広がり合っている
縁起の働きの中で起きています。
身体をととのえることは、心と世界をととのえることでもある。
三和氣功ではこの“つながりの法則”を実践として大切にしています。