基礎に依拠しつつも大周天で冒険する
大周天といえば、気功の中でもかなり大技というかとても高度な気功であるという認識が一般的で、確かにその通りです。
周天功は初心者には全く触れることも感じることも出来ないのかと言えば、この時代においてはそうでもありません。
基本的には「軸」や「丹田」などの感覚を理解していることが前提ですが、大周天の感覚を体感してみることができます。
こうした「身体」の洗練も、繰り返し繰り返しやって少しずつより詳細に意識に上げられるようになるわけですから、基礎的なことから取り組みつつも、自由にいろいろな技術に取り組んでみる、色々やってみるというのが、上達の近道でしょう。
要は、基本や基礎にきっちり依拠しつつも、want toにまかせた冒険は必要であるということです。
情報身体を大きくすることで心身をアップデート
さて、今回は初心者でも簡単にできる大周天のやり方を紹介してみます。
伝統的な気功では大周天を理解するには「小周天」を習得している必要があるとされますが、それはそれでしっかりとやりたい人は是非講座に来てください。
しっかりと取り組むことで得られるものも大きいです。
さて、大周天とはいわゆる情報身体を拡大していく気功です。
古代の道士たちは、宇宙と自分を同期させること、一体となることを本気で目指していました。
「梵我一如」です。気功的な言葉で言えば、「天人合一」です。
つまり、宇宙と一体となるイメージワークをすればいいということになります。
これなら別に長年の修行を積まなくても誰にでもできる。
ポイントは自分にとっての「宇宙」の定義を、しっかりとそして鮮やかにイメージしておくことです。
例えば、宇宙とは「広大」で、「無限」であるという自分の中の認識を確認しましょう。
漠然と「宇宙」をとらえると漠然した大周天の認識になってしまいます。
宇宙=無限、広大、そのほか何でもすごそうな概念を伴わせることで、実際に宇宙と一体となったイメージをしたときに「広大」や「無限」という情報と自分が一体となりますし、
そのような「体感」を得ることができるでしょう。
イメージワークとはいえ、気功なので、単なるイメージではなく「体感」を伴わせることを意識してください。
というわけで、やってみてください。
まずは、部屋の中心に立つなり座るなりして、姿勢を整えます。骨盤を立て背骨をまっすぐに、頭頂をひもで上方にひっばられているかのようなイメージです。
これはいわゆるセンターや軸を立てるという作業なので、出来る方は丁寧にやってみてください。
次に自分の左側に視線を向けその先にある壁なり窓なりを目視で確認し、その手触りや質感などをリアルにイメージします。それはどんな材質の壁紙を使っているのか、木造なのか鉄筋なのか、窓であれば磨りガラスなのか、透明のガラスなのか、ガラスや壁の厚さなどでも違ってきます。
できるだけ丁寧に確認してその質感をリアルにイメージします。
それが出来たら同様に自分の右側、天井、背後、前方そして最後に床を感じていきます。
しかもこれら6点を同時に感じます。その6点をつなぐようにして今いる自分の部屋全体を意識に上げます。そしてその感覚を五感で味わいましょう。
これは即ち自分の意識が部屋全体に拡大しているということなので、この時点で情報身体は普段の自分より広がっているはずです。
自分の部屋に意識を広げることになれてきたら、それをどんどん広げていきます。自分の家やマンション全体、その外側、街全体、宇宙全体へと大きくしていきます。
自分がどんどん巨大化・巨人化していく感じですね。
ちなみにこのようなイメージを使った伝統気功は、大周天という名前を冠していなくてもいくらでもあります。
共感覚をつかって、イメージと体感が一体となっていることが大切なので、やはり基本的な軸の感覚や丹田が発達していればいるほど大周天の体感は深まるということですね。
まだ気功を始めたばかりの頃、何でこんな大層な名前ばかりが気功にはついているのかとよく思ったものですが、文字通り宇宙や龍や神と一体となる体感を大まじめに求めることが気功に他ならないわけです。
ちょっとクレイジーでバカっぽいですが、でも本気でクレイジーになれる人がだけが気功を理解出来るようになるのです。
実際やってみると、どうでしょうか。自分が大きくなった感覚やセルフイメージが書きかわるような体感が出てきたらオッケーです。
そしてこうした感覚が自分の身体を実際にアップデートしていくことを知っておいてください。
気功とは世界を自由に書き換える技
このように気功とは、イメージと体感を使って自己の内部表現を書き換え、洗練していく技です。
自己の内部表現とは、自分にとっての世界そのものなので、気功で世界を変えることは可能と言えます。
伝統的には、人間の持つ限界を超えた、つまり生死を超越した自分に目覚め、なおかつ肉体の次元を生きることを目指して修行をしていくと、「気」の本質的な理解が得られて「気」を自在に操れるようになるというものです。
現代においても、「気」とは何かを理解すればするほど気功は使えるようになります。
気とは何かを腑に落とすためには、「共感覚」「内部表現」「情報」「マインド」「無意識」「意識」「身体性」などといった基本的で重要なキーワードを自分の言葉でしっかり理解する必要がありますし、
実践や体験を通しての理解を深めることも大事です。
また、三和氣功は伝統的な文脈における「気」の世界観を理解すること、伝統を実践することも重要だと考えています。
そして何より大事なのは、自分自身と向き合うことを通して、人の心の仕組みや人間の存在についての本質的な理解を深めていくことです。
気を理解することは、人間やこの世界への本質的な理解を深めることと同じだからです。
なので、本気で学ぼうと思ったら独学だけでは気功はおそらく理解も習得もできません。
単なるマニュアル通りにやればいいヒーリングではないからです。
同じ概念を何度も繰り返し学んでください。
次に何度も繰り返し、自分の言葉で説明しようと試みてください。
そうやって初めて、理解ができるようになります。
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気功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。