中点とは、陰と陽の間にある“静かな一点”。
「変えたい」でも「手放したい」でもなく、どちらにも傾かない純粋な静けさです。
三和氣功では、この中点に還ると氣が自然に流れ、
身体も現実も“力みなく動き始める”と考えています。
❖ 中点は、陰陽の間にある“力の抜けた一点”
陰(止まる)と陽(動く)。
このどちらにも偏らず、押すわけでも引くわけでもなく、ただ静かに“在る”場所。
そこにふっと触れると、身体の中心にかすかなゆらぎが生まれます。
これは止まっているのに動いている、動いているのに静けさがある——
動静が溶けあう感覚。
この地点こそ、中点です。
❖ 「変えたい」と「変わりたくない」のどちらでもない場所
私たちは日常で、しばしばこの二つの極に振れます。
- 早く変わりたい
- 手放せない
- 進みたい
- どうにもできない …
どちら側に偏っていても、身体には必ず“力み”が生まれます。
中点は、そのどちらからも離れ、ただ今ここに戻る地点。
何かを操作する必要がなくなり、言葉になる前の静けさが現れます。
❖ 中点に還ると、氣が自然に動き出す
中点は「何もしない場所」ではありません。“何かをする必要がない”場所。
力むのをやめる
→ 氣が勝手に流れる
→ 身体が内側から動き出す
→ 呼吸が自然に深まる
この一連の流れが、三和氣功で起こる“自然の運動”。
意図を手放した瞬間に生命はもっとも自然な方向へ動き始めます。
❖ 中点は“無為自然”の実感そのもの
中点は、老子が言う無為自然(むいしぜん)の現れに近い。
意図して動かそうとするのではなく、世界の流れにわずかに身をゆだねることで、
自然が勝手に働き始める。
努力でも停滞でもなく、ただ静けさの中で起こる調和の働き。
これが中点の本質です。
❖ 三和氣功における中点 — ヒーリングの“核”
三和氣功のヒーリングや実践で中点が大切にされている理由はここにあります。
- 触れられた瞬間に涙が流れる
- 何もしていないのに身体の深部が動く
- 力んでいた胸や腹がふっとほどける
- 現実の流れが静かに変わり始める
これらはすべて、中点=力の抜けた意識の場に触れたときに起こる現象。
中点は、氣の動き・身体の動き・現実の動きを
《 effortless flow 》へと導く玄関口なのです。
❖ 中点は“創造主意識”の入口でもある
中点に還ると、意図や操作から距離が生まれます。
すると、“在るだけで影響が広がる”という創造主意識のはたらきが自然に目覚めていく。
それは特別な力ではなく、
静けさの深さがそのまま世界に響いていくというとても自然な作用です。
中点は、力みなく生きるための原点であり、
創造へ向かう静かな始まりの地点。