「空(くう)」とは、“何もない”ことを意味するのではありません。
形を超え、概念を超え、
すべての生命が還っていく 静寂と可能性の場。
三和氣功の静けさの原点は、この「空」の理解にあります。
❖ 空は「無」ではなく、“満ちた静寂”
東洋哲学で語られる「空」は、単なる“空っぽ”ではありません。
形が生まれる前の静けさ、言葉になる前の余白、何かになろうとする前の、満ちた可能性そのもの。
すべての現象は、この静寂から生まれ、役割を終えると再び静寂へ還っていく。
空とは、存在の“根っこ”にあるリズムです。
❖ 空を知るとは「固有の視点を手放す」こと
私たちはふだん、“自分の見方”を通して世界を理解しています。
良い・悪い
正しい・間違い
好き・嫌い
これらはすべて、心の癖や過去の記憶がつくったフィルター。
空の智慧は、このフィルターを静かに置いて、ただ、そのまま観るという在り方を教えてくれます。
これが三和氣功でいう「観照」のはじまりです。
❖ 中点・静寂意識とつながる“空の体感”
空は概念ではなく、身体で感じられる「静寂の中心」。
三和氣功の実践で体感される
- 中点(動でも静でもない場所)
- 観照意識
- 力みのほどけた自然体
- 無為自然の流れ
これらはすべて「空」の現れ。
意図を手放し、何かを変えようとする力が抜けたとき、身体の深部にふっと澄んだ静けさが現れます。
そこに 空の入口があります。
❖ 現代科学と“空”の共鳴(ゼロポイント・情報場)
量子物理では、宇宙には「何もない空間」など存在しないと言われています。
そこには
エネルギーの海(ゼロポイントフィールド)があり、粒子も光も生まれては消えていく。
これは東洋哲学が言う虚空(くう)と驚くほど響き合います。
静けさは“無”ではなく、すべてが生まれる母体。
空=可能性
空=源
空=静寂の情報場
三和氣功が「静けさを大切にする」のは、ここに宇宙と人の“共通の場”があるからです。
❖ 三和氣功における空(くう)
三和氣功では、空を「すべての氣が立ち上がる前の静けさ」として扱います。
空を感じるほど、意図は軽くなり、氣は自然に流れ、身体は自分で整い始めます。
空は操作ではなく、在るだけで世界を調和へと導く場所。
それが三和氣功の「空」の理解です。