病気は内側から

中医学では病気の原因を大きく3つのカテゴリーに分けて説明します。

一つは「外因」と呼ばれるもの。これは自然の気象条件をさします。具体的には六気と言って、風、暑、湿、燥、火、寒という気候条件をあげています。六気そのものは単なる自然の気象現象をあらわしているのでそれ自体が病気の原因になることはありません。

ただし、たとえば特に厳しい暑さや寒さが猛威をふるったときに体はダメージを受けやすくなります。特にお年寄りや小さなお子さんは影響を受けやすい ですね。でも、健康な成人は少々気候条件が厳しくても何事もなく過ごせます。つまり、体の力が強ければ、六気にはあまり影響を受けずに済むのです。

さて、外因のほかに病気を招く原因として「内因」というものがあります。外因は体の外側の環境条件であったのに対し、内因は体の内側の原因になりま す。これが病気の発生に深くかかわっているのです。中医学では、体の表面に外からの邪気(体に悪影響を及ぼす悪い気)から体を守るバリアのようなものが働 いていると考えます。これは内側の気が充実していればいるほど強く働くのですが、内側の気が消耗するとバリア機能が崩れて外邪が侵入しやすくなるのです。

では体の内側に生じる病気の原因とは何か見てみましょう。

中医学では内因を七情であらわしています。七情とは喜・怒・憂・思・悲・恐・驚という、七つの感情の事です。

喜びは肯定的で良いものですが、度が過ぎると躁的な状態となり興奮を引きこして病的なものになります。怒りの感情も、悲しみも、やはり度が過ぎた り、いつまでもその感情にとらわれていると気を消耗させたり、気の流れを滞らせる原因となります。「憂」とは、暗く沈んで楽しめない状態を指します。気分 の落ち込みです。「思」はあれやこれやと考えすぎることです。考えすぎるとやはり気は消耗します。あまりに大きな恐怖の感情や恐怖の持続も気力を大きく損 傷します。驚くと腰が抜けるというように、突然極度の緊張にさらされることも気を一気に消耗する原因になります。

このように中医学では病気の内側の原因を「感情」、つまり心理・精神的な要因で説明するのです。心がいつも伸びやかであり、生き生きとしていれば気 は充実して外邪の影響を受けなくて済みます。七情が過ぎることがなければ、気血がめぐり、バリア機能が強く正常に働くのです。ですから、中医学では、病気の根本の原因は自分自身の内側にある のです。

さて、内因でも外因でもない病気の要因、これは不内外因としてひとくくりにまとめられています。たとえば暴飲暴食
、薬物中毒、食中毒、害虫や病原菌、遺伝、けが、疲労…

ストレス社会である現代では、内因も不内外因も避けがたいものですよね。それだけに多くの人が大なり小なり健康のバランスを崩していると思います。休息とストレスやたまった感情の発散をうまく行って病気にならないように気をつけたいものです。

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