気のトレーニングの1stステップ「観察」
気功をやると気の感覚が意識に上がります。
気の感覚を丁寧に感じながら気功を続けていくと気の感覚が増幅されていきます。これが気を練るということです。
気の感覚は考えても分かるものではなく、感じようとして(意識を向けることで)感じられるものです。
自分が気を感じているかどうかを頭で考えるような人は、「気」がスコトーマに隠れてしまって最初はなかなか気づくことが出来ないかもしれません。
そういう人は、気を感じるということは例えばどういうことかをまず理解すると良いかもしれません。
例えば、松尾芭蕉の俳句を一句選んで音読し味わってみましょう。
「古池や蛙飛び込む水の音」
松尾芭蕉の俳句はとても優れているので、この句がとらえた一瞬の情景を思い浮かべるのは難しくはないでしょう。
カエルが跳びこんだ時の水の音の響き、その空間の静けさ、空気の温度や広がりさえイメージできるのではないでしょうか?
試しに、「池に蛙が一匹飛び込みました」という文章を読んでみた時と、その感覚の違いを比べてみましょう。
この情報的な感触や空気感の違いを読み取ることができたなら、気を感じるセンスは開かれていると言えます。
気を感じるということは、こういったことに似ています。
両者の違いを感じようとしたとき、自然と自分に意識が向いたのに気づいたでしょうか?
自分がどう感じているか、何を感じたか、自分の身体や内側の感覚に意識が向いたのはないでしょうか?
気を感じるということの第一歩は、自分が今どう感じているか、身体のどこが反応しているのかを観察することなのです。
日本人は元来気を感じるのが得意なはずです。
詫び寂びといった日本独特の概念は、欧米人には認識できないと言われています。
詫びや寂びは、精神性や物事の本質を感じ取る感性によって言語化された概念です。
つまり目で見て手で触れる物事ではなく、情報空間にあるものを読み取ることによって言語化されたもの。
これは気を感じる、気を読むということそのものです。
自分の感性を高めるには自分の心や身体を観察し、感じていることを丁寧に意識に上げていくことが大事です。
今自分が何をどう感じているのか、今自分の身体のどこがどう反応しているのか、そういうことを客観的にしっかりと感じとる訓練を積むことによって、情報空間にあるもの(気)を感じる感性や観察する力は磨かれていきます。
身体全体で情報を取りに行く、そういうイメージです。
そうでなければ気は認識することができません。なぜなら気は目で見て手で触れられるものではないからです。
気を感じるのが苦手な人は、普段からあまりにも意識が外側に向きすぎているので内側で感じていることを意識に上げることに慣れていないだけです。
目で見て手で触れようとすると気はわからなくなります。
ですから、気を感じる力を高めたければまずは自分に意識を向け、自分を観察することから始めてみましょう。
自分の外側に意識を向けていると気功は上達しない
気とは自分の内側で感じるものです。
よって、自分の外側に意識を向けてばかりいると気功は上達しません。
この世界は本質的には自分の内側でしかありません。
気功は「現実は自分の内側の世界である」という前提に立たないと機能しません。
自分の内側の世界なのに、なぜありもしない外側に意識を向けるのでしょうか?
ちょっと乱暴な言い方ですが、気功の練習においては相手がどう感じたかなど本当はどうでもいいのです。なぜなら自分が感じていることが相手に投影されているだけだからです。
例えば、気功が上手くなりたいからと、他人に気を送ったり、ヒーリングをして相手の感想を聴くことは悪くはありませんが、それでヒーリングが劇的に上手くなるのかと言えばそうではありません。
相手に気がどう伝わっているのかは実は自分にしかわからないのです。
また、例えば誰かに腹を立てて相手の何が悪いのかだけに意識を向けている人や、自分が認識していることが正しいか正しくないかや良いか悪いかに意識を向けている人は気功は上達しないでしょう。
何を感じるか何を認識するのかは自分次第です。自分が感じることが世界のすべてです。
相手が不幸そうに見えるなら、それは自分の視点によって相手がそう見えるのだということを理解しましょう。
相手には問題があってそれを解決するべきだと思うなら、自分の中にそういう信念があるからです。
自分自身に対する認識が変われば自分は変わるし、自分の相手に対する認識が変われば、相手も変わる。
ヒーリングの本質は実はただそれだけです。
ですから相手がどうこうというよりもまず、自分が自分をどう認識し、世界をどう認識しているのかに着目して、そこを変えていかなければ本当の意味で自分や誰かを幸せに導くことなどできません。
自分が幸せだと思えない人は相手のことを本当の意味で幸せには出来ないし、自分に罪悪感を持っている人は相手の罪悪感を本当の意味で解放することはできません。
自分が幸せではないならなぜ幸せではないのか、自分の内面に気づき自分に対する理解を深めることが相手の痛みや苦しみを理解し、それを書き換える力につながります。
自分を知らない人は世界を知らないのと同じです。
知らないものをどうやって書き換えることが出来るでしょう?
気功で大事なのは、自分の世界を観る目を養うことなのです。
セルフヒーリングが気を高める
三和氣功の考えるセルフヒーリングの目的は、主に4つあります。
- 気の感性を高めること
- 自分の痛み(過去の自分)と向き合って解放すること
- それを通して人間やこの世界を理解すること
- 書き換えることを通して、気の本質的理解につなげること
結局こうしたことを続けていって何を期待しているのかというと、様々な抽象度で物事を観る力を養うことです。
これが気についての理解を深め自分の気を高めることにつながります。
認知科学的な言葉を使うと、気は情報空間におけるエネルギーであるといえます。
情報空間におけるポテンシャルエネルギーは物理空間の位置エネルギーと似ているので、情報空間の高いところにある方がインパクトが強くなります。
より高いところから物を落とした方が大きな力を生むように、情報空間でもより高いところから低いところへ働きかけることで大きなエネルギーとなります。
つまり情報空間において高いところにある情報を使えた方が気の力が強い、ポテンシャルが高いという解釈です。
認知科学的にはこれを抽象度の高さで説明しますが、もし抽象度という概念がよくわからない人は、「意識レベル」という概念を使うとわかりやすいかもしれません。
意識レベルとは、アメリカの医学博士であるディビッド・ホーキング博士の作った概念です。
博士は人間の意識レベルを17段階に分け、キネシオロジーの理論を使ってそれぞれの意識レベルにおける生体のエネルギーを測定しました。
参考までに、一番高い意識レベルは「悟り」や「平和」で一番低い意識レベルは「恥」「罪悪感」です。
これは抽象度と似ていて、人間は意識レベルによって体験する現実(運が良い悪いとかパフォーマスのよしあし、どれくらい健康かに至るまですべての体験)が変わります。
この意識レベルについては講座の中でも扱いますが、興味がある人は「パワーかフォースか」という博士の著書を読んでみてください。
意識レベルが高ければパワーが大きいので、つまり、気が強い、気が高まっているということになります。
より高いところからより低いところへ落ちるほどインパクトがあるので、悟りや平和の意識を体験している人が恥や罪悪感の意識を体験している人に対してヒーリングをすると強烈に効くということですね。
気功師が留意すべきなのは、いかにポテンシャルの高い情報空間のエネルギーを扱えるかというところです。
意識レベルで言えば、悟りや平和の境地を目指すことです。
自分が感じていることが正しいか間違っているかや、自分がヒーリングして効果があったかどうかだけを気にしているようでは、本質が見えていません。
自分の気を高めたいなら、自分自身をもっと高めていくことに心血を注ぎましょう。
これが三和氣功がセルフヒーリングやセルフコーチング、伝統的な気功や瞑想ワークの実践に重きを置いている理由です。
自分の心、身体、自分自身の感じることとかかわることが意識レベルや抽象度を高めることにつながります。
自分の意識レベルや抽象度が低いと、情報空間のエネルギーを十分に使えません。
私の伝統気功の先生は「気は使い方が大事」とよく言っておりました。
つまりは抽象度の高さが大事だと言っているのです。
気功は物理的な力技ではありません。
気の強さやヒーリングの良しあしは、抽象度やその人がどんな意識レベルでいるのかで決まります。
「本当の自分」はすべてを解放する力を持っている
三和氣功では講座を通して「本当の自分」で生きることを目指していきますが、本当の自分を生きることは、自分の使命に目覚めたり、自分らしい自然な在り方で生きることだけではなく、ヒーラーとしても最高の自分になることを意味しています。
「本当の自分」はすべてを解放するエネルギーを持っています。
本当の自分とは、最も抽象度の高い「自分」であり、最も意識レベルの高い「自分」のことだからです。
本当の自分は、自分自身はもちろん、あなた以外の人が本当の自分を生きることができるように導く力を持っています。
「本当の自分」に目覚めることを目指すための気功師養成講座
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気功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。