この世界はすべて「三和」の気で成り立っています
三和とは天地人の和のこと。
厳密には「天/陽」と「地/陰」があり、そしてその両者の交わるところに「人」(森羅万象、事象)が生まれる、そのことを「三和」といいます。
「三和」とは、天・地・人をバラバラのものとして認識しているのではなく、一つ(三位一体)として捉える観点です。
そしてこの「三和」はあなたの目を通して見るこの世界の至るとこに存在しています。
陰陽説では、万物は相対的に必ず陰陽の関係をとると考えるわけですが、陰陽が生まれるところには必然的に「三和」が成立するのです。
このことをちゃんと理解すると、あらゆる物は分離して存在しているようで実は分離していないことがわかります。すべては一つです。
釈迦の「縁起」の思想も、同様の世界を観ています。
例えば、あなたと私は、別々に存在することができません。
私は私だけでは存在し得ない。必ず私以外の何かや誰かがいてはじめて私が成り立つのです。
そして必ずそこには私とあなたの関係性(交流)が生まれます。
私があなたを認識して、あなたが私を認識してくれた途端、そこには交点、交わり、或いはつながりが生じるのです。
交点が生じないことには私もあなたもお互いを認識しようがないからです。
それが陰と陽は表裏一体である、というなのです。
陰と陽は分離できないということなのです。
陰がなければ陽はないし、陽がなければ陰もない、交わりがなければ陰も陽もない、これが「三和」の原風景であり、この世界の至るところに観られる三位一体の関係性なのです。
理解の助けになるかも知れないので認知科学的に説明をするのであれば、脳は何かと比較することでしか概念を理解できないということです。
三和とはそもそも、この世界を生み出す法則であり、エネルギーです。
天(陽)と地(陰)の両極の気があって、それが交わることによって物事が生じ、変化し、滅んで、また生まれてくるのですから、そのダイナミックな流れに任せたりそれと一体となることで、物事は創造的に動いていくわけです。
人体における三和=三丹田
気功では上中下の3つの丹田を、その人のあり方に大きく影響を与える主要な気のエネルギーセンターとして位置づけています。
下丹田とは、いわゆる「ハラ」と認識されているとこで、肉体的な生命力を司るところ。中丹田は胸の中心に位置して、感情やコミュニケーションや、自分から外に向かって発せられていくエネルギーのセンターで、上丹田は精神性、意識や思考のエネルギーを司るところです。
気功の実践においてはまず一つ一つの丹田を認識するところからはじめ、下から上への丹田のつながりを身体の感覚で認識していきます。
3つの丹田が単独ではなくそれぞれに関わり合いを持って存在していることを認識できたら、次は3つの丹田のエネルギー的つながりを通していくことになります。
感覚的には下腹部から頭頂あたりまでの気の通りがスムーズで且つ太く体感できるようにしていけばいいわけです。
このとき、人体における3つの丹田がまさに、宇宙と大地とその間にある自分(人)の三和を象徴していることを感覚的に見抜いていきます。
つまり、上丹田と下丹田の気が中丹田で交わることによって、はじめて創造的なエネルギーが生まれてくるということです。
ハートが開くとは、まさにこのことだと言ってもいいでしょう。
ここまでを体得することを「小周天」といいます。
創造の中心に自分を観る
さらに自分の身体における「三和」を、自分の身体の外にまで広げて認識することが「大周天」です。
究極の気功と言われている「大周天」とは、「天」と「地」とその交わりである「人」の三和の真理を自分の身体で感得するための気功です。
自分を貫く軸の上方には天があり、下方には地があり、その天地の氣の中心(交点)に自分を位置づけて、「三和」を感じるのです。
このとき、天/陽と地/陰の交わりそのものである自分が創造の源となって、世界を創造していくのです。
ここまでをちゃんと体感として理解できれば、分離することは創造的エネルギーを生まないことがよくわかると思います。
でも、人間の意識は、おもしろいことに分離して比較することでしか個々を認識できないと錯覚しているので、なかなかその一体感を味わうことが難しい。
分離意識から競争や差別や恐れや憎しみ… が生まれていくのですが、でも実はそれそのものが相手とのつながりの中にしか生じていないことに気がつかないのです。
だから、そこに調和を見いだすことができないし、絆も愛も感じることもできません。
でも、三和を理解すればするほど、その一瞬一瞬の出来事や相手に自分を開いて交わることでしか先には進めないのだ(創造は起きない)ということがわかります。
このことを老子は「すべてを受け入れる器となれ」と説いています。
あなたがいつも分離意識で苦しむのは、自分自身がその関わりの中で三位一体の交わりの一部であり、創造の器となっていることに気がつかないから苦しいのです。
あらゆるスケールにおいて「三和=天地人の和」を見いだして分離が幻想であることを知っていくことが、私たちを調和と創造に導いていきます。
気功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。