気功では「周天」という言葉がよく使われます。
小周天。
大周天。
どちらも「周天」と呼ばれるものですが、
そもそも周天とは何を指しているのでしょうか。
周天とは「巡り」のこと
周天という言葉は、
もともと「巡る」という意味を持っています。
天が巡る。
季節が巡る。
昼と夜が巡る。
古代の人たちは、
世界を直線ではなく
円として捉えていました。
始まりと終わりがあるのではなく、
絶えず循環している。
その感覚が、
周天という言葉の背景にあります。
身体もまた巡っている
この考えは、
そのまま人間の身体にも重ねられました。
呼吸は巡る。
血液は巡る。
体温も変化し続ける。
身体は、
止まっているものではなく、
常に流れ続けているものです。
気功における周天とは、
この流れに気づいていくこととも言えます。
周天は「回す」ものなのか
ここで一つ、よくある誤解があります。
周天というと、
気を回す、動かす、循環させる。
そうした「操作」として
捉えられることがあります。
もちろん、
大周天や小周天のように、氣を巡らせる練習もあります。
ただ、もう一つの見方があります。
それは、
もともと巡っているものに気づく
という視点です。
呼吸を「作る」のではなく、
呼吸に気づくように。
気の巡りもまた、
操作するというより、
観えてくるものなのかもしれません。
内と外は分かれていない
小周天は身体の内側。
大周天は空間との循環。
そう説明されることが多いですが、
実際には内と外は完全に分かれているわけではありません。
身体の内側が整うと、
空間の感じ方が変わる。
空間を感じると、
身体の中心がはっきりする。
内と外は、
互いに影響し合いながら、
一つの流れとして現れます。
周天とは関係の感覚
こうして見ると、周天とは
単にエネルギーが巡るというよりも、
関係が巡る感覚とも言えます。
身体と空間。
呼吸と重力。
内側と外側。
それらが分断されず、
一つの流れとして感じられるとき、
周天は自然に立ち上がります。
だから
内と外も、
左と右も、
上と下も、
陰陽は表裏一体であり、
ひとつの円環なのです。
周天は「起こす」ものではない
周天は、
無理に起こすものではありません。
整える。
観る。
感じる。
そうした積み重ねの中で、
気づいたときには
すでに巡っている。
その状態が
周天と呼ばれてきたのかもしれません。
この“関係の巡り”は、
身体で感じると、
言葉以上に静かに深く響きます。
おわりに
小周天。
大周天。
さまざまな名前がついていますが、
その奥にあるのは、
とてもシンプルな感覚です。
流れていることに気づく。
それだけで、
身体の感じ方も、
世界の見え方も、
少しずつ変わっていきます。
周天とは、
何かを加えることではなく、
もともとある流れに気づくこと。
その入口は、
やはり身体の感覚にあります。
氣功師・ヒーラー
中国の伝統氣功と認知科学の知見をもとに、無理をせず、自然な流れに還るための氣功とヒーリングを伝えている。三和氣功が大切にしているのは、何かを変えたり、足したりすることではなく、本来の自分に還ること。
頑張ることを手放し、ありのままの状態に戻ったとき、
人はもともと備わっている力や調和を自然と思い出していく。
氣功を人生を操作するための方法ではなく、自然体で生きるための智慧として提案している。