陰陽の気のバランスが幸せと健康を作り出す
すべては気によってつくられているというのが気功の世界観です。そしてその気の本質は流れ、留まらず、揺らぎ、巡るものです。
そのダイナミックな調和は、陰と陽の気の交流から生まれます。陰陽の気が過不足なく調和して相互に影響しあうからこそ、すべての物事は留まるところを知らず移ろってバランスを保ちます。これが、気功の世界の健全なあり様です。
例えば、季節の移ろい、夜と昼の繰り返しの中に、それを観ることができます。山火事で焼けた大地にも時がたてば自然に緑が戻る、こういったこともそうです。
人の身体でいえば、細胞の新陳代謝や、食事をして排泄をする、呼吸、すべてそうです。夜が来たら自然に眠くなり、朝が来たら目が覚める、傷ができても時がたてば自然と治癒する、すべて気の循環の中で起きることです。
もしここに陰陽の不調和が生じると、気の流れに滞りが生じて、不調が生まれるというわけです。
気功をやる目的は、一つはこの陰陽のバランスを整えて気の流れを良くすること。それによって生理機能を高め体力を上げ、ダメージに強い心と体を作ることです。
人の身体を構成する物質も、さまざまな生理機能も、精神の働きも、すべて気の作用によって成り立っているのですから、陰陽が調和していれば精神も肉体も健全を保つことができるわけです。
つまり、陰と陽の気の調和は健康と幸せに不可欠なのです。
陰と陽の気の流れを強化する
ではどのように陰陽の気の調和をとっていけばいいのかというと、気功では、陰陽の気の流れる通り道を強化していくことで陰陽バランスが整い、身体の気の巡りが改善していくと考えます。
身体には陰と陽の様々な経絡が通っていますが、そのうち任脈と督脈という気の通り道を気功によって強化していくことで身体レベルは格段に上がると考えられています。
なぜなら、任脈と督脈はそれぞれ別名を「陰の海」「陽の海」とも言って、身体の陰陽の気の流れのかなめとなっているからです。
この二つの経絡の運気(気をめぐらすこと)を繰り返すことで徐々に体の気の流れが整い、改善していきます。
任脈は身体の前面正中、督脈は身体の後面正中(背骨の上)を通っています。
身体の陰陽のバランスは、臓腑(肝・心・脾・肺・腎と胆・小・腸・胃・大腸・膀胱)の五行の気のバランスと密接にかかわっていますので、任脈と督脈の流れがよくなるとまず内臓の気が整っていきます。中医学では内臓の気が体の大切な生理機能と精神活動を担っていると考えるので内臓の気が整うことは、心身の健康に非常に重要な要素です。
気功には、身体の気の通りを格段に良くして身体性と精神性のレベルアップを図るために、任脈と督脈をつなげて連続的に気をめぐらす小周天という方法があります。
気の流れの内に「道(タオ)」を感じよう
小周天は、すべて観想やイメージの中で行うものです。
任脈と督脈を流れる気の流れに意識を向け続けていくと、やがて意識の喧騒が静まり、躍動する気の流れをありありと感じるようになります。深い変性意識に入っていきます。
そして、ふと自分が自然に微笑んでいることに気が付くかもしれません。リラックスして脳波がアルファ波に変わってくると自然と顔の緊張も緩むからです。
そしたら小周天の気の流れの後ろにある静寂に意識を向けていきましょう。
陰と陽の気のダイナミックな交流が生まれるのは、陰でもなく陽でもなく、陰と陽の分離を超えたところにある「道(タオ)」です。それがすべての根源です。何もないがゆえにすべてがある究極の根源、内なる自然であり、内なる神です。
小周天に限らず、気功を通して「道(タオ)」を感じたり「道」につながることができれば、自分への不信や過少評価から生まれる不安や緊張から解き放たれて、あなたの本来持っている潜在能力や自然治癒力がどんどん活性化され、あなたが本来歩むべき道もおのずと見えてきます。
気功師、ヒーラー、セラピスト
認知科学をベースとしたヒーリングと中国の伝統気功を用いて、病人を辞めて、本来の自分の生き方に立ち返り自己実現を目指す生き方を追求している。
本当になりたい自分を実現し生きることこそ、病気を治すことの唯一の道であり、どんな状況にあっても自分の価値を探求しながら人生を生きることが人の本当の幸せであることを信じて活動している。
「道タオ」に通じる気功的な生き方、すなわち、頑張らず無理せず、自然体であれば、自ずと自分が持っている本来の魅力や能力が発揮され、健康に豊かに幸せに生きられるはず。
人生のパフォーマンスを最高に高めていくための一つの道具として氣功を提案している。