整えるのではなく、還るために
三和氣功の氣功ヒーリングは、症状や問題を「整える」ことよりも、本来の自分に還ることを目的としています。
身体や心に現れる現象の背後には、必ず“情報=氣”があります。
氣とは生命を動かすエネルギーであると同時に、すべての現象を形づくる情報そのものでもあります。
氣功とは、この情報空間に働きかけて、滞りを解き、調和の情報を流すことで、自然な流れを取り戻していく技術です。
「病気は辞めるもの」という発想
三和氣功では、病気や問題を“悪いもの”として排除するのではなく、それを生み出している情報のパターンを観照し、「その状態を自ら辞める」という意識の転換を促します。
私たちは無意識のうちに、「治したい」「手放したい」と願いながらも、その状態を維持してしまう情報を自分の中に持っています。
どんなに望んでいなくても、現実をつくり出しているのは自分の脳(潜在意識)です。
だからこそ、「病気を治す」よりも「病気を辞める」という発想が大切になります。
氣功の場では、古い情報(滞り)をほどき、新しい秩序=調和の情報を流すことで、あなたの中に本来備わっている自然治癒力が目を覚まします。
自分が始めたものは自分で辞められる。
その理解が、人生の主導権を取り戻す第一歩です。
伝統氣功のパラダイム ─ 「現象には、そのもとになる情報=氣がある」
三和氣功の原点は、創始者 馬光文(ま こうぶん) が築いた独自の氣功体系にあります。
彼は武術を基礎に持ちながら、中国の道家氣功や医療氣功など、多くの流派の老師から学び、そのエッセンスを統合しました。
「氣とは生命を動かす情報である」――この視点から、心身と宇宙の関係を体系化し、“氣を通して生命の情報を整える”という理論と実践が生まれました。
馬光文はこう語ります。
「現象には、そのもとになる情報=氣がある。」
たとえば、身体に痛みが生じるとき、そこには“痛みを生じさせる情報としての氣”が存在している。
氣は単なるエネルギーではなく、生命を生み、変化させ、還していく情報そのものなのです。
この考えにおいては、人の思考や感情、意識の働きまでもが氣の現れとされます。
すべての現象の根に「氣=情報」があるという視座こそ、三和氣功の基礎となる伝統氣功のパラダイムです。
情報としての身体 ─ 氣がつくる「いのち」の仕組み
氣功では、「身体」もまた氣の一つの現れ=情報としてとらえます。
馬光文の氣功施術は、身体に存在する古い情報(滞った氣)を解き、新しい情報(調和した氣)を上書きしていくという考え方のもとに
成り立っています。
すなわち、氣功の本質とは「情報による情報への働きかけ」。
その媒介となるのが、「意念(意識・イメージ・心)」です。
この“意念の技術”こそが、三和氣功の根底にある伝統氣功の智慧であり、現代へと受け継がれているヒーリングの核心です。
科学で読み解く氣功 ─ 情報と脳の関係
現代の認知科学や脳科学の観点から見ると、氣功は「共感覚による内部表現(脳の情報)の書き換え」として説明できます。
私たちが体験する“現実”は、脳が五感と記憶をもとに構築した情報空間です。
氣功は言葉ではなく“非言語”の共鳴を通して潜在意識に働きかけ、信念や思い込みといった深層の情報を書き換えていきます。
その結果、心身が自然に「健康」「調和」「幸福」へと再調律されていくのです。
氣功が物理的な力で患部を変化させているのではなく、情報の領域に作用しているという理解が大切です。
ホメオスタシスと氣の循環
人の身体と心には、常に「今の状態を保とう」とする安定化の仕組み、ホメオスタシス(恒常性維持)が働いています。
この働きは本来、生命を守るためのものですが、ときに「病気を維持する力」としても作用します。
氣功では、この安定の方向を「健康」「調和」へと導くよう、情報レベルでの調律を行います。
急激な変化ではなく、静けさの中で自然に変化が積み重なるように。
それが三和氣功の氣功施術の本質です。
中医学と「道(タオ)」の視点から
古代の道家思想では、宇宙も生命も氣の循環によって生まれ、保たれるとされています。
氣が滞れば、陰陽や五行のバランスが崩れ、心身や人生に不調が現れます。
氣功は、経絡を通じて氣の流れを整え、人が自然(タオ)と調和して生きる状態を取り戻すための技法です。
「病」とは、自然のリズムに反しているという身体からのメッセージ。
氣功を通して私たちは、無為自然──ありのままに生きる道へと還っていきます。
氣功とは「道に還る」ための実践
氣功は、単なる健康法ではなく、宇宙と人が再び調和するための“生き方の修行”です。
外の世界を変えることではなく、内なる氣の流れを整えること。
その結果として、身体も現実も静かに整っていきます。
氣功を実践することは、道(タオ)に触れ、知り、還っていく旅そのものなのです。
be with ― 存在をともにするという癒し
「癒す」という言葉は、本来“直す”でも“取り除く”でもなく、“ひとつに還る”という意味を持っています。
そのために必要なのは、何かを「する」ことではなく、ただ「ともに在る(be with)」という姿勢です。
相手の痛みや悲しみ、揺らぎを変えようとせず、否定もせず、“そのままそこにあること”を許す空間になる。
それが、氣功における静寂の愛の働きであり、言葉を超えた“調和の力”です。
三和氣功の文脈で言うなら、
- doing(する)=技法・操作・意図
- being(在る)=観照・共鳴・調和
- be with(ともに在る)=愛・統合・癒し
ヒーリングがこの「be with」の次元に立つとき、自他の境界はやわらかく溶け、氣が自然に流れはじめます。
それが、“癒しが起こる状態”です。
癒しとは「還ること」
病を辞めるとは、戦うことをやめ、流れに還ること。
氣功は、あなたを自然のリズムへと戻すための道です。
深く休み、緩み、身体と心がひとつに戻るとき、あなたの中にすでにある光と生命力が動き出します。
それが「癒し」であり、三和氣功が伝える氣功の本質です。