氣功的な生き方

50代ヒーラーが疲れるのは努力不足ではない|身体構造から見る仕事の転換期

― ”押さない”働き方の土台

人生の後半に、多くの人が立ち止まる時期があります。

それは衰えではなく、
第2フェーズへの入り口です。

この段階でにおける仕事は、外へ広げる前に、
まず自分の中心を整える。


(詳しくはこちらのコラムへ
50代からの仕事は押して広げなくていい

 

でも、多くの人がここでつまずきます。

「中心を整える」を、
頭でやろうとしてしまうからです。

落ち着こう。
ブレない自分になろう。
堂々としよう。

そう決めても、
また焦る。

それは意志が弱いからではありません。

中心とは、考え方ではなく、
身体の状態だからです。

焦りは、思考より先に呼吸に出る

発信が止まったとき。
申し込みが少ないとき。
誰かの活躍を見たとき。

その瞬間、身体はどうなっていますか。

呼吸は浅くなっていませんか。
胸のあたりで止まっていませんか。

焦りが強いとき、
呼吸は自然と上に上がります。

胸が固まり、
喉がわずかに詰まり、
頭に熱が集まる。

視野は狭くなり、
足の裏の感覚が薄くなる。

地面とのつながりが弱まり、
身体の下半分が遠く感じられる。

これが、
「中心が上に浮いている状態」です。

気が上に偏り、
考えだけが先に走り、
身体が置いていかれている。

この状態では、
どれだけ「押さない」と決めても、

身体が先に押してしまいます。

焦りが、
言葉を急がせ、
投稿を増やし、
余計な一言を足させる。

意志の問題ではありません。

呼吸と重心の問題です。

ヒーラーが消耗しやすい理由

ヒーリングや占いを学ぶ人は、
もともと感受性が高い人が多い。

場の空気を読み、
人の痛みに気づき、
微細な変化を感じ取れる。

それは大きな才能です。

でも同時に、
外側の刺激に反応しやすい構造でもあります。

評価。
数字。
他人の成功。
SNSの反応。

それらに触れた瞬間、
身体のエネルギーは上へ上へと動きます。

呼吸が浅くなり、
胸が固まり、
足の感覚が薄くなる。

このとき、人は「証明モード」に入っています。

では、何を証明しているのでしょうか。

売上を証明しているのではありません。
実力を証明しているのでもありません。

本当に証明しようとしているのは、

「私はここにいていい」
「この仕事をしてもいい」
「選ばれる存在であっていい」

という、自分の存在の許可です。

だから焦る。

結果が出ないと、
自分そのものが否定された気がする。

発信が止まると、
価値が止まった気がする。

他人が伸びると、
自分が小さくなった気がする。

これは意識的にやっているわけではありません。

身体が無意識に、

“存在の安心”を外側に取りにいこうとしている。

それが証明モードです。

ヒーリングが、
誰かを助ける行為であると同時に、
自分を安心させる手段になってしまう。

頭が働きすぎ、
胸が緊張し、
お腹の感覚が消える。

でもこれは性格の問題ではありません。

身体の使い方の癖です。

そして癖であるなら、
整え直すことができます。

「中心に戻る」とは何か

では、中心に戻るとは何でしょうか。

強くなることではありません。
ポジティブになることでもありません。
自信に満ちることでもありません。

まず起きるのは、とても地味な変化です。

足の裏の感覚が戻ること。
呼吸が胸からお腹へ降りること。
おへその下あたりに、静かな重みが戻ること。

浮いていたものが、降りる。
散っていたものが、集まる。

氣功では、この場所を「丹田」と呼びます。

でも、難しく考えなくていい。

ただ、

呼吸が下まで届いている。
身体の奥に、静かな場所がある。
急がなくても、立っていられる。

その感覚です。

中心が戻ると、
焦りが消えるわけではありません。

不安もゼロにはなりません。

でも、焦りや不安に
引きずられなくなります。

波があっても、足元はある。

これが、
押さないで動く仕事の土台です。

中心が戻ると何が変わるのか

売上が急に上がるわけではありません。
フォロワーが爆発的に増えるわけでもない。

目に見える数字は、
すぐには変わらないかもしれません。

でも、確実に変わるものがあります。

止まっても、不安に飲み込まれない。
減っても、自分を責めない。
選ぶときに、他人の評価ではなく、
自分の感覚を基準にできる。

これは静かですが、決定的な変化です。

押す仕事は、常に外へ向かっています。
結果を取りに行き、
価値を証明し、
広げ続けようとする。

でも、人生の第2フェーズの仕事は違います。

まず内に戻る。
呼吸が下に降り、
足の裏の感覚が戻り、
「ここにいる」と感じられる場所に立つ。

そこからしか、
このフェーズで長く続く仕事は生まれません。

中心が整ったとき、
必要な方向へ、自然に広がっていきます。

50代からの仕事の成功は、
テクニックの問題ではありません。

どれだけ広げられるかではなく、
どれだけ中心に戻れるか。

それは、身体の構造の問題なのです。

なぜこの整えが今なのか

若い頃は、押せます。
多少無理をしても、走れます。

気が上に偏っても、
身体はなんとか支えてくれる。

でも50代からの人生では、
身体が先に答えを出します。

眠りが浅くなる。
疲れが抜けにくくなる。
小さな焦りが、長く残る。

それは衰えではありません。

“やり方を変える時期だ”という
身体からのサインです。

浮いたまま広げようとすると、
どこかで消耗する。

広げるほど不安が増し、
走るほど足元がなくなる。

だからこそ、

押さない働き方の土台は、
意識からではなく、
身体から整え直す必要があるのです。

50代からの仕事は、
どれだけ押せるかではなく、
どれだけ自分に戻れるか。

ここが変わると、
仕事の質も、人生の質も、
静かに変わり始めます。

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