共感覚による内部表現の書き換えとは
共感覚による内部表現の書き換えとは、認知科学から捉えた氣功の定義で、機能脳科学者である苫米地英人博士の理論に基づいています。
それによれば、私たちが「氣」として認識しているものは、実は「共感覚」によって捉えた「情報」であり、決して超能力というわけではありません。
ソムリエや料理人の味覚が経験によって磨かれて一般の人よりも繊細になっていくように、共感覚も磨いていくことが出来ます。
三和氣功で実践する伝統氣功やセルフヒーリングは、共感覚を磨くためにも大切です。
共感覚とは?
共感覚とは、五感と言語のうち2つ以上のモーダルチャンネルが同時に認知されている状態を言います。
私たちは五感と言語によって現実認識をしています。通常は色を観たら視覚神経が刺激を受け赤とか青とかいった視覚情報が認識されるのですが、共感覚ではその視覚情報と同時に聴覚情報も認識されているような状況です。
赤い色をみたらドの音も自動的にイメージされてしまうというような状態の時、視覚と聴覚の共感覚が起きているといえます。
詳しくは講座の中でお勉強していただきたいのですが、氣功で氣を感じているときには、「氣」という言語情報と共に、温かいとかピリピリするといった触覚も意識に上がっているので言語と触覚の共感覚が起きています。
内部表現とは?
内部表現とは認知科学の用語で「脳と心」のことです。
脳の情報処理によって現実の認識が生まれるので、私たちが体験する現実は脳内情報で出来ていると言えます。
この脳内の情報処理は個人によって差がありますが、それが同じ事を体験したり同じような環境におかれても一人一人が現実を全く違うとらえ方をし、全く違う生き方をする理由です。
同じ学校に行っても、成功する人、成功しない人がいるのは、内部表現が違うからです。
例えば成功したければ、成功する内部表現に書き換えておけば勝手に成功します。
内部表現とは、過去の経験や感情的に受け入れた教義、価値観などによって作られていきます。通常それらの情報は潜在化してしまうので、普段意識に上がることはありません。
なので、口では変わりたいと思っていても、潜在化された情報がもとのままだと、なかなか行動が起きなかったり、頑張って変わってみても結局は元に戻ってしまうということが起きます。
よって内部表現を書き換えるということは、顕在意識の領域で行われることではなく、潜在化した情報にアクセスして本当になりたい自分に適した情報に書き換えるということです。
内部表現が書き換わると体験される現実も自動的に変わってしまいます。
共感覚によって内部表現を書き換える
ここまでの内容をまとめると、私たちが氣功を行うときに感じる「氣」の感覚は、認知科学用語では「共感覚」という概念で理解することが可能であり、氣功とは、その共感覚によって潜在意識の中にある情報を書き換えて、性格、能力、行動などに変化を起し、自分や他者にとって望ましい現実を実現するために活用できる一つの技術であると言えます。